26日に開催された慶應義塾評議員会において、次期慶應義塾長に伊藤公平理工学部教授が選任された。

一貫校出身の塾長 21世紀のリーダーとして前塾長の期待受け

伊藤次期塾長は65年生まれ。幼稚舎から義塾の一貫校に通い、89年理工卒、94年米・カリフォルニア大学バークレー校博士課程修了。理工学部教授を経て07年から理工学部長を務めたのち、17年4月から19年3月まで理工学部長・理工学研究科委員長を歴任。専門は固体物理、量子コンピュータ、電子材料、ナノテクノロジー、半導体同位体工学と多岐にわたる。

今回、歴代最高齢で塾長を務めた長谷山彰現塾長の任期満了に伴う後任として選任された。長谷山現塾長は伊藤次期塾長について「55歳とお若いので、研究力の強化と国際性の向上を目指している21世紀の慶應義塾に相応しいリーダーとして教育、研究、医療の発展に貢献してくださると期待し、信じております」とエールを送った。

任期は2021年5月28日から2025年5月27日までの4年間となる。なお、慶應義塾規約により、塾長の任期は通算2期までと定められている。

「塾生たちがあの時の慶應にいてよかったなと思えるよう」

26日にオンラインで行われた所信表明で伊藤次期塾長は「長谷山塾長の足跡をたどるという意味で慶應義塾の発展に尽していきたい」と述べた。

また、現状の新型コロナウイルス感染症が流行する状況にも触れ「コロナ禍とポストコロナ社会における教育のあり方を我々の中で考えて、他の大学とも連携しながら良い方向性を示していければ」と話し、「塾生たちがあの時の慶應にいてよかったなと思えるようなものをつくっていきたい」と述べた。

理工学部出身の伊藤次期塾長は、同大学が人文系の学生で7割を占めていることを伝え、「理系という素人目線で人文知の重要さと面白さの方向性を広く皆さんにわかりやすい言葉で国際的に発信していきたい」と話し、自身の専門であるデジタル面を進めていくだけでなく、防災やハラスメントに関しても触れた。

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