SFCにとって、日吉キャンパスはある種の憧れを感じるキャンパスであるし、引け目や距離を感じる人もいるでしょう。(実際に30キロメートルの距離がある)「陸の孤島」などという卑屈なジョークもSFC生の好物です。学問分野、国籍の垣根は越えられてもキャンパスの垣根は越えられない孤島であります。そんな孤島の島民でありながら、毎日のように日吉でサークル活動を行う学生を取材しました。

(無題)この日は入試。入試以来日吉に行ってない学生もいるのでは?

日吉での単位習得や、サークル活動もアリなのではないか? と考えたのがこの取材のきっかけです。結論から言うと、日吉でのサークル活動は大いにアリです。日吉のサークルに興味があるならば、ためらう必要はないと、取材を通して思いました。

ゲキケンに突撃取材

   取材したのは、慶應義塾演劇研究会(通称、ゲキケン)。大正時代に永井荷風らによって設立された、立派な歴史を持つ劇団です。食事休憩は和気あいあいと和やかな雰囲気が流れていましたが、稽古が始まると一転、真剣な雰囲気。練習中と休憩中のギャップには惹かれるものがありました。3月の公演「希わくは誰の為」に向けて稽古しています。

(無題)稽古中の風景

他キャンパスでのサークル活動

 SFCに週4ペースで授業を受け、研究会で研究に勤しみ、なおかつ日吉のゲキケンで情熱を燃やす松井えこさん(環2)と、ゲキケン員の安原佑汰さん(商2)に話を聞いた。

(無題)安原佑汰さん(商2)、松井えこさん(環2)

日吉でサークル活動を始めたきっかけは何ですか?

 入学前に、友人の誘いでゲキケンの公演を見たのがきっかけです。演劇の質に驚いて、その時点で「入るー!!」と決めました。SFCは第一志望でしたが、日吉のサークルも入れると分かったので、すぐにゲキケンに入りました。  家から近いから、という理由ではない、積極的な理由に驚かされました。むしろ、自宅、SFC、日吉は全くバラバラだそうです。逆に言えば、それだけ熱があるからこそ、距離を苦と感じないのかもしれません。

友達はどちらのキャンパスに多いですか?

 日吉キャンパスの方が多いです。SFCは、グループワークを組むことが多いので、顔と名前が一致する人の数ならSFCの方が多いかもしれませんが、やっぱり、友人関係はサークルが中心になりますね。特にそれに心細さは無いです。

他キャンパスのサークルだからこそ感じるメリット、デメリットを教えて下さい

 SFCにも色々な人がいるけれど、日吉にも商学部、理工学部、薬学部と色々な人がいて面白いです。あとは、湘南台より日吉の方がお店が多いかな?(笑)デメリットは、強いて言えば遠いということぐらい。  嬉々と語る松井さんの様子を見ていると、他キャンのサークル活動と言っても特別大変なことはなさそう? とも思えたが、「やっぱり忙しそう。彼女は要領が良いから、上手に勉強もサークルもこなせているんだと思う」と安原さん。勉強とサークルの両立には相応の努力が必要みたいです。でも、それは他キャンだから、とは、また別の話かでしょう。  また、「ゲキケン」と言ってSFC生に通じないことには寂しさを感じている様子の松井さん。「知らなくても、SFC生もゲキケンの公演に来てくれたら、嬉しいな」と話していました。

日吉生から見たSFC生

 安原さんに日吉生から見た、SFC生の松井さんについて聞きました。

松井さんにSFCらしさを感じる点はありますか?

2年生で研究会の活動をしていることです。日吉では稀なケースなので、その点が今の時期から忙しいのか、という感じます。

カリキュラムや生活リズムが違うことで不都合はありますか?

 むしろ、日吉生より良く来てくれます(笑) 昨年は、6本公演に参加していました。これは、とても多いです。

演劇をしていると、私、幸せなんです!

(無題)稽古中の松井さん

 ただ、松井さんは「ORFもあって役者をしばらくできませんでした」と話す。松井さんは、3月の公演では1年ぶりに舞台に上がり、ヒロインを務めます。「私が一番稽古場を楽しんでる自信があります! 本当に楽しくて楽しくて。演劇をしてると、私、幸せなんです!」と語りました。松井さんは最高の場所を日吉に見つけたようです。

(無題)

 選択肢として、日吉のサークルも探してみてはどうでしょう?