ジャーナリストの野中ともよ氏が、松本孝利研究室の主催で、18日(金)4限、12で「私たち地球人!」をテーマに講演を行なった。


 野中氏は16日(水)に「金融知力普及委員会」(NPO)の設立について記者会見を行ったことに関連して、「世の中全体の動きを決めていくのは経済。金融に対する知識を身につけてもらいたい」と新たな教育事業のスタートに関してコメントした。
 約30人の学生が野中氏の話に熱心に耳を傾け、講演後も野中氏の周辺には学生が集まり、質問の声があがった。
 NHKのキャスターをしていた野中氏は、松本孝利政策・メディア研究科教授にとって憧れの人だったそうで、松本教授は野中氏の父親に経済学を学んでいたという。総務庁の委員会で隣席し、それがきっかけで今回の講演が実現したそうだ。
 21世紀のキーワードは「笑顔と感謝」だという。「笑顔と感謝の気持ちがあれば自分が気持ちよくなり、エネルギーが生まれる。」と楽しむことの重要性を語りつつ、「これまでの自分の人生の時間の使い方と人との接し方について振り返ってみて欲しい。それによって自分の人格形成の確認ができる。 自分の死を『定期積み立て貯金』の『満期』に例え、『満期』から今の自分の姿を想定する。このような作業を行なうことで、時間をどう使って自己実現していけるか、そのために必要なプログラム何か、ということをを考えることができます。みんな達にとって大切なのは時間。楽しんで時間を過ごしてください。」と時間の大切さを主張した。
 「『知識』がそのものが生かされるのは試験だけ。失敗することが起爆剤となって『知識』は『知恵』となる。それが最終的に『知力』となって社会の中に生せる。外的な判断で自分を評価せずに自分のベクトルさえおさえておきなさい。」と語り、「プログラム立てることができれば、目標は必ず叶います!」と断言していた野中氏。22歳の時の野中氏が立てたプログラムは「フォトジャーナリスト」だった。上智大学での専攻は「ジャーナリズム」。卒業論文の現地調査をきっかけに中国へ行き、万里の長城に昇った。万里の長城の壮大な風景を見て、文章だけでなく、ビジュアルで人に伝えたいと志し、「フォトジャーナリスト」を目指して米国ミズーリ・コロンビア大学大学院に留学した。NHKのキャスターというのは、直接の目標ではなかったそうで、勤めていた雑誌社とのつながりでチャンスがふりかかってきたそうだ。
 学生の一人は「野中さんはカリスマ!」と断言。調理師を目指したこともある現在厚木市議会議員選挙に出馬をする予定の学生(32歳)は、野中氏に「大学の楽しさ」をどう社会に伝えたらいいのか質問。野中氏はそれに対して、「あなた自信が自分の人生を楽しんでいれば、静かだか、おのずとその楽しさ伝わるはずだ」と答えた。
 「今後、未来がどうなっていくかわからない時代になる。これまでの価値体系やマニュアルでは対応できない。みなさんは面白い時代に生まれたと思う。がんばって欲しい。」と私達に対する応援の言葉で講演を締めくくった。

 なお、野中氏は、新事業、金融知力普及委員会のお手伝いをしてくれる人を募集している。連絡先は以下。
●金融知力普及委員会設立準備室(03-5644-1637)