この100号記念企画をお読みの方の中に、SFC CLIP創刊号がどのようなものだったか、記憶されている方はいらっしゃるでしょうか?当時は購読者数も少なく、100人にも満たない状況でした。

上記のリンクから、そんなSFC CLIP創刊号のバックナンバーページに飛ぶことが出来ますが、おそらく現在のCLIPと比べてみると驚かれるかと思います。目立つ部分ではレイアウトが全く違っており、現在ではイベント等の告知記事を載せている「MESSAGE」コーナーもこの時点ではまだ作られていません。更に、NEWSの内容も読んでみるとまだまだ未熟さがあらわれています。
 当時は本当に試行錯誤で編集作業をしていた状況でしたから(SFC CLIP創刊までのエピソードは、中島洋コメントに詳しく書かれています)、創刊号からしばらくの期間のバックナンバーを見ていると、CLIPの辿った道のりというのを良く把握することができます。普段は特に見ることのないバックナンバーたちを、この機会にちらっとでもご覧いただいて、CLIPの成長ぶりを楽しんでいただければ幸いです。
 100号記念企画の最後では、SFC CLIP創刊当時のエピソードを振り返るとともに、創刊号で載せたエディターコラム「編集中期」の続編を掲載いたします。
▼創刊号、配信作業エピソード
その1、掲載記事収集にひと苦労。
 創刊当時は、正直、ネタに困ったという印象があります。それ以降の活動では、「情報は、発信する者のところに、勝手に集まってくる」 ということを、実感することができましたが、さすがに創刊時からCLIPの存在がメジャーというわけはありません。NEWSとして掲載した情報は、そのときに見つかっていた学内のネタで、看護医療学部の記事と、アラビア語の記事メディアセンターの記事は、関係者に話
を聞きに行ったと思います。
 その他は、CLIPから掲載をお願いした記事となっています。
その2、創刊号から残留して配信。
※残留=大学に泊り込みで作業をすること。SFC用語。
 創刊号が配信できた時間は、土曜日の深夜1時頃でした。記事は集まっていたものの、編集作業にまだ慣れていない頃だったので、時間がかかってしまいました。メールマガジンの編集は、細かいレイアウトまで気を使わなければならないので今でも時間がかかっているくらいですから。
 また、下に掲載されている「編集後記」にあるように、配信システムに関するトラブルも発生したため、大変でした。
その3、創刊号の反省を活かして第2号へ。
 レイアウトは創刊号を発行した後、中島洋研究会のメンバーでデザインに詳しい方のアドバイスを元に、第2号で大幅改正しました。 第2号では、既にデザインがおなじみのものになっています。また、"その2"で書いたようにシステム上の問題があったので、その対応として第2号から違うプログラムを利用することにしました。
 また、テキスト量が多すぎるということで、メルマガ掲載文をなるべく少なくして、記事の全文はWEBで見ていただく形式に変更しました。当時でも、SFCの中は既に常時接続が普及しつつあったので、そういったスタイルでも受け入れられるだろうと判断してのことです。
その4、当時の予想と今のCLIPにギャップも存在する。
 良い意味でのギャップといえば、予想以上に長く発行し続けられたということでしょう。研究会の中のプロジェクトとして立ち上がったCLIPですが、創刊当時のメンバーで100号記念企画などができるほどに続くと考えていた人間はおそらく一人もいません。
 ただ、こうして継続することができたといっても、実は当初の予定ではもう少しシステム面でネットにおけるメディアの立場を活かしたものを作り出す計画もありました。記事内容についても特集・企画をたくさん作る予定でした。そうした実現できていない部分がある以上は、当初の予定・理想に近づけるよう、今後改善する必要があると言えます。
 週刊という発行ペースや編集部の現状の体制下において、出来る限りの力は出してきたこれまでの努力を引き続き維持しつつ、更に成長していけるよう頑張っていきたいと思います。
▼「編集後記」
CLIP創刊メンバー、山下徹(2002年卒)
 創刊号掲載エディターコラム「編集中記」続編
 「当初の予定通り、『13日の金曜日』に配信できそうで、ひと安心である。送れたかどうかは、未来の僕だけが知る」
 未来の僕は知っている、ちょっとトホホな現実を―。
 メルマガが完成して、あとはメルマガ配信システムから配信するだけという段になって、システム担当者が思いもよらぬことを口にした。「…動かない」
 冗談好きな担当者ではあるが、今回ばかりは悪い冗談ではなさそうだ。顔が笑っていない…マジだ。この期に及んで、配信システムが動かないなんて、シャレにならない。…“送れたはずのメルマガが遅れた”なんて、ホントにシャレになっていない。
 しょうがないので、応急処置として、BCCでメーラーから配信することにして、なんとか配信は出来た。が、残念ながら、予定の『13日の金曜日』に間に合わなかった。エディターコラムで、予定通りに配信できそうと書いていて、届いているのが翌日というのは、なんともばつが悪い。「今を伝える“ライヴ感”のあるメディアにしたい」とは書いたが、予定通りに配信できない、そんな「今」を伝えてどうする?
 なんだかシステム担当者に対して怒りがこみ上げてきた。まさか“オモシロそうだから作ってみただけ”、そんなつもりで配信システムを作ってるわけではあるまい。「…おいッ、一体どうゆうつもりなんだ!?」
 …自問自答してみたところで、答は1つ。“オモシロそうだから作ってみただけ”のこと。…そう、システム担当者は、紛れもなく“未来の僕”その人だったのである。チャン、チャン。お後がよろしいようで。