20日(木)-21日(金)、六本木ヒルズ森タワー24・49階にて、SFC Open ResearchForum2003(以下ORF)が「天地共生:ユビキタス社会のかたち」をテーマに開催された。ORFはSFC研究所が主催し、SFCでの研究成果の発表や、各界の著名人とSFC教授との間で行われるセッションなど、様々なイベントが催された。今年は例年のSFCでの開催とは違い、来場者の利便性を考慮し、六本木ヒルズでの開催となった。初日は天候も芳しくなく更に平日の開催であったにも関わらず、多くの企業関係者や学生などが来場し、最終的に来場者数は主催者発表で3677名と去年の2倍をはるかに上回った。

会場の六本木ヒルズ森タワー
 出展者は、前日の朝より六本木ヒルズに入り、機材の搬入、会場のセッティングを行った。キャンパスからの大型精密機材の運搬や必要な機材の買出しなどやネットワーク設定など、六本木という立地で苦労している姿も多く見られた。
 初日はオープニングセッション、村井純環境情報学部教授と坂村健東京大学大学院情報学環教授とのセッションなど、諸メディア注目のイベントが多く行われた。それぞれのセッションやイベントの様子などは、他の記事を参照されたい。

森稔氏
 一日目が終えた後は企業関係者や教授などを中心とするレセプションが開催された。会場には、安西祐一郎慶応義塾塾長が駆けつけたほか、会場の六本木ヒルズの施工主である森ビル社長、森稔氏も訪れ、今後の森ビルとSFCの発展を期待するとの挨拶を行った。

また、二日目の最後には、学生の間で打ち上げが行われ、熊坂賢次環境情報学部長が乾杯の音頭を取った。最後に今回のORFの実行委員長である徳田英幸政策・メディア研究科長が、学生の苦労をねぎらう挨拶をし、全員の拍手とともに、ORFが終了した。
 なお特筆すべき点としてあげたいのは、二日間通して研究室の垣根を越えて、出展者同士が気軽に互いの研究を披露しあい、アドレス交換をする姿がそこかしこで見受けられたことである。研究発表を一フロアに絞ったことのメリットであろう、研究の刺激をうけたという声をも耳にした。
 今回のORFは例年より来場者が多く、各方面から大成功であったとの声が聞こた一方で、運用面では、慣れない会場、見込み以上の来場者の為か、エレベーターを待つ長蛇の列など、来場者が困惑する部分も多く見られた。
 運用面以外ではいわゆる環境系の研究室の参加が目立ち、総合系、また各メディアでもその充実ぶりが話題になっている語学系などの発表も今後は望まれる。来年度の開催場所はまだ未定とのことだが、運用面をふくめて来年度のさらなる発展を期待したい。