9月26日(月)、27日(火)、シンガポールで行われた初期段階の技術のビジネス化に関するコンペ、Idea To Product(I2P) Asia Competitionで、浮津弘康さん(総3)、武石訓尚さん(総1)のグループが2位の成績を収め、11月4日(金)、5日(土)、テキサス大学で行われる世界大会へ駒を進めることが分かった。

I2P Asia Competitionは、テキサス大学が主催しており、アジアでの開催は、今年が初めて。中国、台湾、タイ、香港、インド、シンガポールの大学などから12チームが参加した。日本からの参加は慶應義塾大学からのみだった。
 浮津さんらのチームの発表の内容は、ペットボトルのリサイクルのための、ペットボトルのキャップとキャップを取った後に残るリング、そしてラベルを自動的に取り外す装置のビジネス化に関するもの。これまではペットボトルのリサイクル時には、手作業でキャップやラベルを取り除いていたが、当装置によって、手間や人件費の削減が実現できる。
 また、ペットボトルのリングがついていないものと、ついているものとでは、リサイクルのために売却する際に3円から5円の価格差がある。通常の手作業では取り除けないリングを取り除くことによって、より高くペットボトルを売却できるようになる利点がある。発表では、実際の処理施設の映像を見せ、視覚に訴えたこと、ニーズを明確化し、それに対する答えを明確にしたことが審査員に評価された。
 世界大会への出場に向け、浮津さんは、SFC CLIPの取材に対し、「まさか自分たちが出場できるとは思わなかったので、気負わずに、いつもと変わらないプレゼンテーションをしてきたいと思います。英語はネイティブのようには話せませんが、志と気持ちがあれば伝わると思っています。今回、2位という成績を収められたのは、メンター三田会の皆さんを始め、慶應の関係者の皆さんのご協力とご指導があってのもので、2人だけで勝ち取ったものとは思っていません。世界大会では、慶應の代表として恥ずかしくない発表をしてきます」と意気込みを語った。
 浮津さんは、高専に在籍中、ペットボトルのリサイクルの装置を作ることを思い至り、試作機を作った。SFCに入ってからも改良を続け、ビジネスプランを作り、SIVビジネスプランコンテスト2004でGold Award(2位)、第一回キャンパスベンチャーグランプリTokyo 大賞、平成16年度第2回よこはまビジネスプラングランプリ 学生ビジネスアイデア賞を受賞している。