22日(火)、23日(水)にSFC Open Research Forum 2005「レッドクイーンの法則 -知の遺伝子進化を加速せよ-」が開催される。今年も六本木ヒルズ森タワー(六本木アカデミーヒルズ40)での開催となり、豪華なゲストのセッションが用意されている。研究発表に参加する学生も、最終の追い込みに入っている。


●今年も豪華プログラム
 今年のORFの一番の目玉として、22日(火)にプレミアムセッション「日韓インターネット政治対話」が開催される。日本と韓国の若手政治家がパネリストとして登場する。他にも冨田勝環境情報学部長と宮田満日経BPバイオセンター長との対談「バイオテクノロジー&ビジネス」、村井純環境情報学部教授と大前研一UCLA教授の対談「インターネット・グローバリズム」が開催され、SFCの名物教授と一流ゲストが顔を並べる。
 23日(水)のメインセッションFでは「創造的破壊者としてのSFC」として、SFC学部長3人と徳田英幸政策・メディア研究科委員長、吉野肇一健康マネジメント研究科委員長、村井純慶應義塾常任理事のセッションが行われ、SFCの今後のビジョンが話し合われる予定となっている。
 会場では、昨年に引き続き、RFIDを利用した実験が行われ、事前登録者に「ORF RFID 入場券」を配布する。RFIDのタグとリーダーのIDと、利用者の性別、業種、来場目的、職種、年齢、関心のあるキーワードなどのデータ、利用時間を組み合わせたサービスを提供する予定であることは明らかになっているが、詳細は「当日のお楽しみ」(熊坂賢次環境情報学部教授)とのことだ。また、ORF 2005では、事前参加申し込みを呼びかけている。
 また、今年のORFはホームカミングデイ(以下、HCD)も23日(水)に同時開催される。「今年は、六本木で逢いましょう。」という標語を元に、17:30から1時間、六本木ヒルズでパーティーを開催する。
 HCDは今までSFCでの開催ともあって、参加者の少なさに頭を悩めていた。今回の合同開催は、卒業生の関心を引きたいORF側との思惑が一致した形だ。
●都心開催は成功しているものの、問題も残る
 ORFは、SFCでの研究成果を一般に公開するための場で、「産業界や官公庁等との連携の推進や、外部からの評価を活かして更なる研究の発展を図る」ことを目的とし、96年から開催されている。
 その後2003年より来場者の利便性を考慮し、六本木ヒルズに場所を移した。六本木ヒルズ開催初年度は、集客に苦しんでいた前年度と比べ倍以上の来場者数を記録し、都心での開催は成功に収めている。
 初年度に問題となった運営面に関しても、昨年度は改善され、六本木での開催にもこなれてきた。ただ効果が現れている一方で、来年度以降の開催場所に関しては全くの白紙であり、「SFCに戻る」という選択肢も引き続き議論に上がっているという。
 しかし、来場者数は伸びているものの、学内からの取り組みに関する課題も残る。そもそもORFに出展しない研究室も多数あるほか、三田祭休みとも重なり、ORFに興味をもたない学生も多い。特に、長年課題となっている、いわゆる「総合系」「環境系」の温度差はなかなか埋まらない。
 熊坂賢次環境情報学部教授は、ORFに関わらない学部生の参加意識の低さはをどう思うか、というSFC CLIPの質問に対し、研究会に所属していない1・2年生は仕方がないとした上で、今後のSFC生への告知を強化する方針を明らかにした。また「それ以上に重要なことは、すべての研究室がORFに参加することです」と述べ、総合系の研究室のORFの参加率の低さに懸念を示した。