SFC Open Research Forum 2006の2日目、23日(木)17:00-17:25、丸ビル7階丸ビルホールにて、今回初めての開催となる「ORFまちづくりアイディアコンテスト2006」の審査会・表彰式が行われた。


 これまで、義塾内で学生のアイデアを表彰するコンテストとして、SIVBusiness Plan Contest(現Keio Business Plan Contest)があった。しかし、応募チームには塾生・塾員もしくは塾職員が含まれていないとならず、応募の際にも、細かく内容が決められた必須項目を含む詳細なビジネスプランを作成しなくてはならなかった。それに対して、今回のアイデアコンテストは、エントリーバリアが無く、小さなアイデアでも気軽に応募でき、さらに実現への具体的なプロセスを示してくれるという点で、初の試みと言える。
 審査会は、13:30から丸ビル8階のRoom2で行われた。定員約80名の会場は発表者・来場者で埋まり、立ち見が出るほどの賑わいを見せていた。
 応募された約70個のアイデアの中から一時審査を通過したのは10個。審査会は、それらのアイデアのプレゼンテーションを中心として進められた。発表者の中にはSFCの学生だけではなく、SFCへの進学を希望する高校生や、他大学の学生の姿も見られた。
 審査会に出席した審査員は総勢15名。SFCからは審査委員長を務める熊坂賢次環境情報学部教授や、田中浩也環境情報学部専任講師、羽田久一政策メディア研究科講師が顔を揃えた。また、コンテストの運営を手がけた梅嶋真樹政策メディア研究科講師が終始進行役を務めた。SFC以外からは、尾高暉重神奈川県副知事が県知事代理として出席し、日立製作所の古川一夫代表執行役社長、野村総合研究所の村上輝康理事長、三菱地所の恵良隆二 街ブランド企画部長らも出席した。

ORF2006

発表者らは、審査員の前で10分間のプレゼンテーションと5分間の質疑応答を行った。プレゼン方法にも工夫が見られ、動画を織り込んで発表するグループなども見られた。質疑応答では審査員からの質問が頻繁に飛び交い、発表者も積極的に受け答えをしていた。2時間で終了予定だった審査会は、3時間に延長されるほどの盛り上がりを見せて終了した。
 審査会終了後、17:00から丸ビル7階の丸ビルホールにて表彰式が行われた。神奈川県、日立製作所、野村総合研究所、三菱地所からそれぞれ1つずつ賞が用意されており、いずれの賞も、受賞者にはアイデアの実現を支援する副賞が贈られる。

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神奈川県知事賞には、増田萌花さん(看)の「あいのりとITが実現する医療アクセスの効率化」が選ばれた。増田さんには賞状が進呈され、松沢成文神奈川県知事から、「受賞おめでとうございます。私ども神奈川県と共に、このアイデアの実現に向けご一緒に知恵を出し合ってまいりましょう。」とのビデオメッセージが送られた。
 日立uVALUE街創りアイデアStudentアワードには、太田正道さん(政・メ修士課程)の「街をつなぐICカード」が選ばれた。日立製作所の用意した副賞は、表彰されたアイデアをビジネスモデル化する研究機会を与えるというもの。古川執行役社長と太田さんは、壇上で共同研究の仮契約書にサインを交わした。

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野村総合研究所地域創発賞には、田中里実さん(総)の「電子地域通貨twineyによる、『物価の安い街:ツインシティ』」が選ばれた。田中さんには村上理事長から賞状が手渡された。副賞として、アイデアについて野村総合研究所社員とディスカッションするためのランチミーティングが設けられ、研究推進のための資金も贈られる。
 三菱地所賞には児玉哲彦さん(政・メ博士課程)の「ここHORE:ケータイでの経験のmix up とまちづくりへの応用」が選ばれた。児玉さんには、副賞として丸ビル7階の東京21cクラブ利用権が与えられ、21cクラブメンバーや三菱地所との意見交換会も行われる予定。
 また、受賞者だけでなく、プレゼンテーションを行った他の発表者にも賞状が贈られた。