今学期の環境情報学の創造は、1年生に必修の授業でありながら、グループワークでFacebookアプリの実装をするという、ある程度の技術が求められるものになった。今回は環境情報学の創造履修者で、優秀ディレクション賞に選ばれた江部正周さん(環1)に、そうした点も含めて話を聞いた。

実装は前提だった

Q.実装まで求められたことをどう思いましたか?

A.Facebookアプリの開発が課題としてでたとき、実装は当然するものだと思って、プログラミングは意識しながらグルワを進めました。実装まで考えると、あまり欲張らずに、シンプルにシリアスゲームを練り上げていく方がいいのではないかとは思いました。僕自身、プログラミングの授業を履修していたこともあり、実装を「制約」というよりもハードルとして考えて、そのような環境のなかでチームメイトとベストをつくせるようにしました。

Q.他のチームと相対的に見たとき、江部さんの開発チームはどうでしたか?

A.チームには恵まれていたと思います。本当に運がよかった。ひとりひとりのやる気が高かったうえ、まとめ役がいて、コンセプトをつくれる人がいて、僕が死ぬほど苦手なイラストをかける人がいて。それぞれのメンバーが自分の力をもちよってうまくまわっていったと感じています。

グルワなので、素敵なチームメイトが集まったことは大きな要素だったと思います。

「理念」と「現実」

Q.「環境情報学の創造」についてはどう思いますか?

A.やはり、シフト系科目としての環境情報学の創造の理念は無視できないと思います。そこが十分に共有されていなかったことが、批判を招いてしまったのではないかと。シフト系科目は、高校までの学校がすべてを与えてくれて、それをこなすことで学んでいくというスタイルから、自分たちで問題をみつけて、自分たちで解決方法をも考えていく学びへのシフトが理念のはずです。そこの認識があるかないかで、この授業への関わり方が180°変わっていたと思います。僕個人としては、そのミスマッチがもったいなかったなと思います。

基礎を固めてから

Q.来年の環境情報学の創造にむけて、なにか思うことはありますか?

A.環境情報学の創造に批判が集中していますが、シフト系科目としての理念から考えれば問題はなく、むしろリフレッシャー科目としての情報基礎に問題があったのではないかと思います。ですが、僕は情報基礎は履修していないので、あくまで推論の域を超えないことは強調します。リフレッシャー科目はSFCでの学びに不足していると思われる能力を補うものなはずなので、そこで基本的なWebについて理解を得ることが十分にできず、いざ実装となったときに必要以上にハードルが高いと感じてモチベーションが下がってしまったのではないかと思います。やはり、基礎をしっかりと固めることは、問題発見、解決と同じくらい大切なことだと思います。それがあってこそ、みんながステージにあがれるようになるのではないかと思います。