今年も様々な展示が行われているORF2014。今春13年ぶりにSFCに戻ってきた「すずかんゼミ」こと鈴木寛研究会を取材した。問題解決型のSFCらしい学びに迫る。

 すずかんゼミは、「情報社会におけるソーシャル・プロデュース」をテーマに活動している。実際のプロジェクトへの参画を体験して学ぶ「プロジェクト・ベースド・ラーニング」(問題解決型授業)を重視。その分野は多岐にわたり、教育・国際交流・社会投資・医療・メディア・震災復興・オリンピックなど、30にも及ぶプロジェクトの中で学生が学んでいく。
 今回のORFでは、そんなすずかんゼミが誇るプロジェクトのなかから、2日間で計6プロジェクトを展示している。
 

問題解決能力を持った地域リーダーの発掘・育成を 「全国FROM PROJECT」

「全国FROM PROJECT」は、地方の中学生・高校生に「問題の解決のやり方」を教える超実践型プログラムだ。参加する中高生たちは、自分たちのプロジェクトを考え出すことから実行するまで一貫して行う。

このプロジェクトの狙いは以下の3つだ。

  1. 主体的に行動する力と問題解決能力を持った「地域リーダー」を発掘・育成する
  2. 全国各地のコワーキングスペースや起業家人材をソーシャルキャピタルとしてネットワーク化し、イノベーション創発のエコシステムを築く
  3. 新たな未来型教育モデルを創出する

現在は、宮城県石巻市と福島県いわき市を対象に、4ヶ月間のプログラムとして毎週コンテンツを発信している。

「全国FROM PROJECT」のメンバーとして活動している小山さん「全国FROM PROJECT」のメンバーとして活動している小山さん

埋もれる日常を再発見!「毎日を3㍉オモシロク」

日常の出来事は、繰り返すことで日々に埋もれていってしまう。しかし、埋もれていく出来事のなかには価値あるものも存在する。それらを再発見することは革新的なイノベーションと等しく、ときにはそれ以上に私たちの毎日をオモシロイものにしてくれる。そこに着目したのが「毎日を3㍉オモシロク」だ。
 「毎日を3㍉オモシロク」では、日常のなかでも「電車」という空間をクローズアップ。車内に数多く存在していながらノイズとされがちな「車内広告」をターゲットに捉え、新しいカタチの車内広告を打ち出すことを考案した。現在、都電荒川線(東京都交通局)を舞台に新しい車内広告のカタチを提案し、そこで生活する人々の日常に埋もれたものを再発見し、毎日を3ミリオモシロクしようという試みに取り組んでいる。

「毎日を3㍉オモシロク」のメンバーの皆さん「毎日を3㍉オモシロク」のメンバーの皆さん

都電荒川線に関連した資料都電荒川線に関連した資料

オリンピック・パラリンピック を学生の力でより良いものに「2020年オリンピック・パラリンピック」

「2020年東京オリンピック・パラリンピック」は、「2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピック を学生の力でより良いものに」を目標に活動しているプロジェクトだ。企業ともコラボをし、学生らしい自由なアイデアを出しながら、実際に企業とのミーティングにも参加している。2020年の日本を変えるために、ゼミ生たちで2020年に向けてやりたいと思ったことを班内でプロジェクトとして立ち上げ、進めている最中だという。

当プロジェクト代表の山本さん当プロジェクト代表の山本さん

すずかんゼミの特徴は多様性にあり

佐々木経太さん(総3)は「多様なプロジェクトに取り組んでいることがすずかんゼミの特徴。それぞれのプロジェクトが持つおもしろさを来場者に感じてほしい」とアピールした。
 

スズカンゼミORF担当の佐々木経太さん(総3)すずかんゼミORF担当の佐々木さん

2時間刻みで展示するプロジェクトを入れ替えているすずかんゼミのブース。あす22日(土)は、今回紹介した「毎日を3㍉オモシロク」が14:00-16:00、「全国FROM PROJECT」が16:00-18:30にそれぞれ展示される。学生が地域に飛び込んで取り組む様子を見に、すずかんゼミのブースに足を運んでみてはいかがだろうか。