「総合政策学の創造」で、新入生に政策や民主主義といったものを身近に考えてもらうことを目的とした「政策コーカス」が実施される。これは、主要な政治家のロールプレイを行う履修者数人が模擬選挙を行うというもの。選挙活動は授業の枠を超えて行われ、ポスター貼りや演説などが行われている。


 この「政策コーカス」では、道路特定財源をテーマに、福田康夫首相、小泉純一郎元首相、小沢一郎民主党代表、石原慎太郎東京都知事、東国原英夫宮崎県知事のロールプレイを行う履修者5人と、彼らのブレーンを中心に模擬選挙を行う。
 20日(火)より昼休みの生協前等を中心に選挙活動を行い、27日(火)1限の授業で演説や討論を行った上でその他の履修者による投票が行われる。また、13日(火)から各陣営はポスターやビラ配り、webサイトでの広報を既に開始している。
 今回の試みは「総合政策学」について考える仕組みをつくるため、授業の担当者である阿川尚之総合政策学部長が発案したもの。この取り組みによって履修者が議論に参加していくことで民主主義への理解を深め、政策研究と合意形成の実践において生じる障害をどのように解決するか考える契機にしてほしいとしている。
 副担当である清水唯一朗総合政策学部専任講師は、SFC CLIPの取材に「候補者、政策ブレーンのみなさんは、この1ヶ月弱の間、かなり精力的に政策研究に打ち込んできています。運営側と彼らとのやりとりも、すでに100通を越えました。あと2週間、候補者・ブレーン諸君のさらなる奮闘と、履修者の反応を楽しみにしています」と答えた。
【コーカス】caucus
 アメリカで、政党の指導者が立候補する人物や党の政治方針を決定する際に、事前同意を求めるために開かれる秘密会議。植民地時代には隆盛を極めたが、支持者の意思を反映しない非民主的制度との批判からその後崩壊した。現在では党大会方式が主に用いられている。しかし「コーカス」という用語は今日でも用いられており、党内の立法政策や議会人事を決定する議員総会などを意味している。