「音がつながる、音楽コラボレーションサイト」
 MuZicJamは、音楽コラボレーションというコンセプトをインターネット上に実現することで、様々なパターンの音楽創出を促すとともにリスナーの新しいニーズを試みることを目指しています。印南研究室のEビジネス実践プロジェクトに所属する学生メンバーで構成され、サイトのβ版が先月に公開されたばかり。李鳳教さん(政メ博士3年)と河島茂生さん(総合4年)に話を聞いてみました。


MuZicJamとは何ですか?
 インターネット上で、ミュージシャン同士、リスナー同士、そして両者の交流の場を促し、音楽コラボレーションや音楽配信などを提供するコミュニティサイトです。
 たとえば、クラシックの世界では、特定な指揮者が好きだからその演奏を聞こうとする人もいれば、作品そのものが好きで楽しみたいという人もいますよね。でも、現在の大衆音楽の世界では、残念ながらそのようなしくみはほとんどない。
 そこで、MuZicJamは、音楽コラボレーションというコンセプトをインターネット上に実現することで、様々なパターンの音楽創出を促すとともにリスナーの新しいニーズを試みることを目指しています。
音楽コラボレーションとは?
 作曲、作詞、歌、アレンジなど、それぞれの才能を持つ人々が自分の作品を素材としてサイトにアップロードし、作品素材を組み合わせたり、変化を加えていくことで新しいパターンのコラボレーション作品を完成させていくことです。
 たとえば、テーマが「愛」の詞の場合、曲がPops風、Dance風、Rock風、Ballad風の4通りあって、歌手が男性ボーカル、女性ボーカル、女性ユニットの3通りあれば、4×3の全部で12パターンのコラボレーション作品ができるわけです。
 ブロードバンドの本質は、ダウンロードだけでなくアップロードも早くなって、誰もが手軽に情報発信しやすくなった点にあると思います。私はそこにコラボレーションの可能性を感じています。
既存の音楽サイトと何が違うのですか?
 
 MuZicJamはリスナー参加型であることです。リスナーは、好きなアーティストに投票するだけでなく、作品を評価することもできますし、アーティストに直にアドバイスすることもできます。
 既存の音楽サイトの評価基準は音楽のダウンロード数だけなのですが、MuZicJamで提供する音楽レースサービスは、いわば競馬ゲームです。ゲーム性に富んでいるためリスナーの参加意欲が高く、レースに出場したアーティストにはより多くの情報がフィードバックされるしくみになっています。
どのようなビジネスモデルなのですか?
 ブロードバンド・ポータルサイトと独占的な契約を結ぶことで、コンテンツや関連サービスを提供していくことを収益モデルの柱としています。
 また、ひとりの新人アーティストを発掘してデビューさせるためのコストは、何千万円から何億円単位までといわれていますが、この業界における費用対効果はとても非効率であるとも指摘されています。
 そこで、MuZicJamをレースあるいはオーディション開催のASP、新人発掘の代行、プロアーティストのプロモーション、業界向けアクセスページなどとして、活用することを考えています。リスナーにとっても、コラボレーションのプロセスが見えることはおもしろい。  
 その他にもたとえば「結婚式の曲を作って欲しい」というユーザーに対して、制作できるアーティストとのマッチングサービスなども考えています。
マスコミからも数々の評価を受けているんですね?
  MuZicJamのビジネスプランは2001年11月に開催された相模原市ビジネスプランコンテスト青年アントレプレナー部門で、最高賞を受賞し、読売新聞、神奈川新聞、相模原経済新聞などにてその関連記事が掲載されています。2001年3月にはリクルート社が発刊している起業関連雑誌「アントレ」でもビジネスモデルが紹介されています。
 
どんな時がいちばんたのしいときですか?
 WEBデザインを担当している者にとっては「キレイなデザインで居心地がいいね」と言われたときは、純粋にうれしい。チームとしては、自分や仲間が切磋琢磨しながら成長していく姿を見ているときですね。そして、内容に関して言えばコラボレーションされた音楽作品ができたときがやはりいちばんうれしいですね。
反対に、苦労している点は?
 資金が足りないことと、もうひとつは、サイトや運営のコミュニティのノウハウを持っている人材がいないことです。後者に関しては、これから人材を探すなり勉強するなりしようと思っています。
学生ベンチャーについて、どう思われますか?
 韓国では、大学でインキュベーションされて起業したベンチャー企業が実に多いんですね。私は運良くSFCのリソースに恵まれているので、それを有効に活用させてもらっています。
 学生ベンチャーは、学生だから許されたり甘えられたりする部分もあるんですが、逆に無視される部分もあって、その両方を上手に綱渡りしていくことが重要なのだと思います。そういう意味で、検索エンジンgoogleのような存在は夢ですね。学生の持っているアイディアは素晴らしいのですが、それを実行の段階でどう広げるかを知っているのが、業界の知識を持った社会人の方です。ですから初期段階でまず欲しいのは、お金よりもそこのアドバイスです。お金もあったに越したこはないですけどね(笑)
最後にひとことお願いします。
 MuZicJamを、本当の意味でのビジネスにまで導くまでにはまだまだやるべきことはいっぱいあると思います。
 たとえば「このサイトのシステムはダメだ」「こんなマーケティングPRができるのではないか」「コミュニティはこういうふうに育てるべきだ」など、どんな意見でもよいのですので、MuZicJamに関してSFCの優秀な皆さんの声をぜひお聞きしたいです。
 メールにてbongkyo@sfc.keio.ac.jpまでに送ってくださるか、または研究室にて直接お話もできると思います。どうかよろしくお願いします。