23日(土)、SFC創設以来初の卒業生交流イベント「ホームカミングデイ」が「SFC Open Research Forum 2002」と同時開催された。歴代学部長による講演、卒業生・学生による講義、懇親会などが催され、卒業生およそ500名が、久々にSFCで同じ時を過ごした。

▼学部長講演会(左から、孫福弘・総合政策教授、相磯秀夫.初代環境情報学長、加藤寛初代総合政策学部長、井関利明代2台総合政策学部長)

 15:30からΩ21で行なわれた学部長講演では、現学部長を含め歴代すべての総合政策学部・環境情報学部の学部長が集まった。会場に立ち見がでるほどの盛況ぶりだった。加藤寛・初代総合政策学部長(現千葉商科大学・学長)は、ホームカミングデイのパンフレットを持ち出し、似顔絵が似てないと発言し、会場の笑いを誘った。
 井関利明・第2代総合政策学部長(現千葉商科大学・政策情報学部長)は、「SFCには愛着を持っていて、素晴らしいと思っていることと、けしからんと思っていることの2つがある」と発言し、後に批判を熱く語った。その批判の内容として、初代学部長2人がいなくなり、大きなリーダーシップを発揮する人がなく、教授間の連携が薄くなっていること、Ver2.0ではだめで、基盤のOSを取り替えることが必要ということ、コンテクスト(集まってきたコンテンツに意味・価値をつけるもの)の不在を挙げた。最後のコンテクストの不在に対しては、自分にも責任があると語った。
 その批判に対して、小島朋之・熊坂賢次両学部長による反論が行われた。小島学部長は「伝統を大事にしたい。継承しながら伝統を否定していく」と発言。一方、熊坂学部長は「井関さんの安っぽいメタファーに騙されるな。安直なメタファーで語られるような生やさしい状態ではない。すべて実践、誰がどうやっていくのかが大事」と井関氏の発言を切り捨てた。
 議論が白熱するなか、相磯秀夫・初代環境情報学部長(現東京工科大学・学長)は「SFCの設立当初には、このような議論が毎日行なわれていた」と述べ、会場を湧かせた。
 講演の最後は、SFC生、卒業生からの意見、質問の時間となり、活発な意見交換が行われた。

▼ホームカミングデイパーティの様子
 そして、17:30からは、学生食堂サウスウイング・ノースウイングで、「ホームカミングパーティ」が行なわれ、卒業生を中心に学生・教職員含め合計約600名が一同に会した。
 会場では、教員の出展によるオークション企画が行なわれ、村井純・環境情報学部教授の提供した「アジア衛星インターネットプロジェクトおよびアジア遠隔教育プログラム(SOIASIA)会議(東南アジアで3日間開催)参加の際の鞄持ちができる券」が最高金額14万円で落札されるなど、会場は盛り上がりをみせた。
 イベントの締めには、花火が打ち上げられ、会場からは歓声が上がった。
 実行委員長を務めた南政樹・環境情報学部専任講師(SFC3期生)は、SFC CLIP の取材に対し、イベントを振り返り、以下のように答えた。

—今回のHCDを振り返って、ハイライトとなった部分、印象に残ったことなどありましたらお聞かせください。あるいは、トラブルとなったことなどがあればお聞かせください。

[南・専任講師] 初めての試みということで、全てのことが印象深く残っています。参加者が一番盛り上がったのは学部長トークではないかと思います。私自身はその場にほとんど居ることができませんでしたが、スタッフや参加した人たちの反応は一番よかったように思います。

—HCDの目的は、SFCと卒業生の継続的なつながりを創ることですよね。今回のHCDで、そのきっかけはできたでしょうか?

[南・専任講師] 一定のレベルですができたと思います。特に学生講義企画では、先輩からのいろいろな意見があったり、それぞれの活動をさらに高度なものにするようなアドバイスがあったりしましたね。

—HCDを終えて、来場者/SFC卒業生/SFC生へのメッセージ、また来年への意気込み、実行委員長としての思いをお聞かせください。

[南・専任講師]  来年は参加する皆さんがHCDを作り上げる番です。
 SFCという場と卒業生・在学生・教職員などの人的リソースがあってこそできるような楽しい企画をそれぞれが考えてそれを実行できるようになるとすばらしいですね。