24日(火)、アークアカデミーヒルズにて第1回SIV Networking Seminarが開催された。このセミナーの目的は、SIVにおける研究の解説や人的ネットワークの交流。


 開始から30分間、軽食とともに懇談会が行われ、新しいつながりを求め出席者同士、名刺交換が盛んにおこなわれた。

キーノートスピーチは國領二郎・環境情報学部教授によって、「SFC発のベンチャーの現状と今後の展望」というテーマで行われ、SFCにおけるベンチャー企業の現状、ベンチャーを支える支援施策、そして現在注目している研究領域を説明した。
 講演の冒頭で國領教授は、SFC生のベンチャー志向が他大学に比べて高いことを紹介し、「これは大いに誇れること」と述べた。その背景として「キャンパスの成り立ち・生活というものが大いに関連し、研究と実際に社会で行われていることが近いという点があるのではないか。また、自分でやるべきことを考え、答えを出すという姿勢が、ごく自然に企業に結びつくというプロセスとして成り立っている」とした。
 そのほか、SFCにおけるベンチャー創出領域の割合として、情報技術に非常にウェイトがかかっており、テクノロジーベースが多いことはベンチャーの強みだとした。また、将来的には様々な分野からベンチャーが創出されることを期待していると述べた。その後、國領教授は、SIVの今後の展望と注目する活動について説明し、講演を締めくくった。
 続いて、セミナーではエレベーターズ・ピッチが行われた。エレベーターズ・ピッチはシリコンバレーにおいて、なかなか投資家などと時間を合わせてもらえない起業家が、投資家と偶然エレベーターに乗ることを装い、エレベータが到着するまでの30秒の間に重要案件を伝えるというもので、それをこのセミナーで同じことをやってもらおうという企画だ。SFC発のベンチャー企業や、人材のマッチングを支援している会社など様々な分野からを10人がステージに上がり、自らの活動のアピールを行った。

最後に再び懇談の時間が設けられ、セミナーが終了した。当日はベンチャーを志す学生や企業関係者をはじめとした、150人を超える人数が参加した。今後の予定として、9月には第1回SIV Executive Seminarというベンチャーのビジネスの現状の発表会を開催し、同日に第2回SIV Networking Seminarを開催する予定とのこと。
 今回のセミナーについて、主催したSFC Incubation Village研究コンソーシアムの牧兼充事務局長はSFC CLIPの取材に対して、「SIV Networking Seminarは、初めての試みでありましたが、予想を上回る多くの方にご参加いただいて感謝しています。この手の試みはどの大学でも実施していますが、多くの場合VC・支援者ばかりが目立ち、起業家が少ないのが現状です。今回のイベントでは、SFCベンチャー起業家、今後起業を考えている学生が多数参加して下さったので、より効果的なマッチングの場となりました。今後もある種の『特定のテーマ設定を行ったSFCの同窓会・在校生との交流』的要素を持ちながら、発展させていただきたいと思っています。皆様のご協力よろしくお願いいたします」とコメントを寄せた。