26日(木)三田キャンパス西校舎の519教室にて、J-フォン社長、ダリル・グリーン氏が講演を行なった。

これは、フランソワ・デュ・ボワ国際センター講師担当の「パーソナル・キャリア・マネジメント」という日吉キャンパス国際研究講座の授業の一環として開かれたもので、グリーン氏は1時間半に渡って話を展開した。
 最初にグリーン氏は「本当はミュージシャンになりたかったが、残念ながら音痴だったのであきらめた」と、流暢な日本語で会場を沸かせた。氏は自身の経歴を振り返りつつ、自分にとって譲れない線をもって仕事に取り組むこと、自分の職業プランを常に意識しながら企業に所属することの意義について語った。また、学生に期待することとして、自分自身をよく知り、自分のやりたいこと、好きなこと、向き不向きについて考えることをしてほしいと述べた。

講演の最後には映画「今を生きる」のワンシーンを流し、自身の好きな言葉だという「カーペ・ディエム(今を生きる)」というラテン語を紹介する場面もあった。
 講演後の履修者とのレセプションは、和やかな雰囲気のなか行われた。当日の入場者は400人弱、参加者は真剣にグリーン氏の話に聞き入った。
《プロフィール紹介》
【ダリル E.グリーン氏】
1960年米国生まれ。89年ダートマス・カレッジ エイモス・タック・スクール卒業 MBA取得。84年日本鋼管株式会社入社。その後、AT&Tコーポレーション、日本AT&T株式会社、AT&T Jens株式会社[現ジェンズ株式会社]を経て、98年から日本AT&T株式会社とAT&T Jens株式会社の代表取締役社長兼CEOを務め、99年グローバル クロッシング ジャパン株式会社代表取締役社長に就任。2001年11月1日、J-フォン株式会社代表取締役社長、2003年6月25日、代表執行役社長兼CEOに就任。
【フランソワ・デュ・ボワ氏】
1962年仏生まれ、作曲家、マリンバ奏者。仏国立高等音楽院プルミエプリ受賞(審査員満場一致)、仏財団賞受賞、94年パリ元老院にて音楽部門金章受章。教則本全3巻執筆、欧州にて音楽出版社コンドル・プロダクションの取締役(1995年-1998年)就任。98年より、慶應義塾大学にて講師を務める。03年4月より、読売新聞系刊行物で連載担当。
《PCM(パーソナル・キャリア・マネジメント)の授業コンセプト》
 変化の激しい今日の仕事の世界において、各自のモチベーションの源を発見し、自らの可能性により即した職業に向かって積極的に行動を起こしていくことが、PCMクラスの目的。このクラスは、各自がターゲットとする職業についている人物に直接出会ったり、数回の講演会や、“秘密ゲスト”を招くなどのプログラムで構成されている。
 この授業は、2001年にデュボワ氏により大学に申請され、2002年春より開講された、まったく新しいタイプの授業だ。また、2003年6月に文科大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、経済財政政策大臣の4大臣により発表された「若者・自立挑戦プラン」により、このようなキャリア教育に重点をおいた授業は、その緊急性から、今後ますますプライオリティーが高まってくると思われる。