今年で3回目を迎えた「Digital Art Awards 2003」が、20日(木)の17:30より開催された。まず、実行委員長であり審査委員長でもある稲蔭正彦環境情報学部教授より「第3回目を迎え、当初の内輪的な会から知名度が上がり、今ではインターナショナルなコンペティションへと発展したことを嬉しく思う」との挨拶があった。事実、グランプリおよび入賞作品には日本よりも海外の作品が目立っていたようだ。


 デジタルシネマ部門最優秀賞を受賞したJung-Ho Kimさん(カリフォルニア芸術大学)の作品「VENICE BEACH」は、ランニングマシーンに苦戦するカニたちをユーモラスに描き、その完成度の高さが評価された。
 インタラクティブ部門には、九州芸術工科大学の松尾高弘さんの作品「floating light ~光、降る夜~」が最優秀賞を獲得。手を開いたり降ったりすることで、幻想的な光と音を生み出すことのできるという繊細なインタラクティビティが受賞のキーとなった。
 また、デジタルミュージック部門の最優秀に選ばれたのは、Per Blolandさん(テキサス大学)の作品「The Wondrous Delight of Profound Inepitude」。対テロ戦争への抗議デモで鳴らされたクラクションの音を忍び込ませているというメッセージ性だけでなく、細部までこだわった完成度もその評価の対象となった。
 アワードの最後に発表されたのは、次世代の才能を発掘する高校生部門。最優秀賞受賞者の宮下牧子さん(玉川学園高等部)は欠席のため、ビデオレターで「将来はプロを目指したい」とのコメントが放映された。
<<受賞一覧(当日配布のパンフレットより転載)>>
[ デジタルシネマ部門 ]
○最優秀賞
「VENICE BEACH」Jung-Ho Kim (アメリカ)
 :カリフォルニア芸術大学
○特別賞
「PARENTHESE」Francois Blondeau (フランス)
 :SUPINFOCOM
「LOUIS」Olivier Barre (フランス)
 :SUPINFOCOM
「Starship Cleaning Service "S.C.S"」Juergen Bluemlein(ドイツ)
 :Filmakademie Baden-Wuerttemberg
「Toys」Cheng-Ling Fan(カナダ)
 :バンクーバー・フィルム・スクール
[ インタラクティブ部門 ]
○最優秀賞
「floating light ~光、降る夜~」松尾高弘(日本)
 :九州芸術工科大学
[ デジタルミュージック部門 ]
○最優秀賞
「The Wondrous Delight of Profound Inepitude」Per Boland (アメリカ)
:テキサス大学
○特別賞
「Fantasy for Cello and Electronics」Samuel Pluta(アメリカ)
:テキサス大学オースティン校
[ 高校生部門 ]
○最優秀賞(デジタルミュージック作品)
「DIVE」宮下牧子(日本)
:玉川学園高等部
○特別賞(デジタルシネマ作品)
「Ooki」MYTH(日本)
:慶應湘南藤沢高等部