「たたかれても、たたかれても、改革!!」。都内を駆け巡る、竹中平蔵選挙カーから、このフレーズが途切れることはない。気温30度をゆうに超える遊説先で、黄色いたすきをかけた竹中平蔵大臣本人が、年金、郵政民営化などの問題を中心に聴衆に訴えかけた。参議院選もいよいよ終盤戦となった8日(木)、SFC CLIPは竹中平蔵大臣の熱い熱い一日を追った。

すでに朝の遊説を終えた8:45、池袋駅東口を撤収しているところに、取材班は選挙スタッフと合流した。次の遊説場所である高田馬場駅東口では、先に選挙カーが到着し場所を陣取り、ビラを配り始めていた。10:00から本人が登場し、大勢の聴衆を前に演説、握手を交わした。
 今回、ビラ配りなどの選挙活動を手伝うスタッフは、元竹中ゼミの学生・OBなどが中心。スタッフは「マルヘイ隊」(○の中に平)と呼ばれ、裏表に「マルヘイ」印の描かれた黄色いTシャツを着ている。彼らの様子は、スポーツ新聞・週刊誌などに取り上げらている。

高田馬場で30分ほど演説した後、中野駅北口に移動し、中野サンプラザ前で演説が行われた。しばらくのち、商店街をスタッフと共に、ビラを配りながら歩いた。竹中大臣は住民と気軽に握手し、写真撮影に応じていた。このようにスタッフと共に候補者が練り歩くことを、「桃太郎」と呼ぶらしい。竹中大臣を桃太郎に例えているのだろう。
 
 中野駅北口で再び遊説し、短い休憩の後、新宿駅東口の広場で遊説。既に気温は35度。暑い中でもまだ遊説は続いた。ここでは、石原伸晃国土交通大臣も応援に駆けつけた。聴衆の中には、デジカメ・カメラ付き携帯電話で候補者を撮る人、演説中うなずいたり、拍手を送る人もいた。竹中大臣のファンなのか、一番前に陣取るおばちゃん軍団も見かけた。
 
 続いて休む間もなく、渋谷駅東口ハチ公前の広場で遊説。テレビで見たことがある人がいるからか、多くの若者もカメラ付き携帯電話を片手に足を止めていた。渋谷スクランブル交差点前は、ちょっとした騒動となった。
  
 有楽町マリオン前でも遊説を行った後、18:00に新橋駅西口SL広場前にて、この日最後の遊説が行われた。まだ蒸し暑い中、多くのサラリーマン・報道陣が集まっていた。ここで木村剛氏が合流。木村剛氏との対話形式で遊説が行われた。テーマは、郵政民営化、年金問題。議論は白熱し、お酒が入ったサラリーマンが大声で野次を飛ばす場面もあった。
 
 ここで一日の終わりかと思われたが、まだまだ続いた。21:00より、六本木ヒルズ49階アカデミーヒルズにて「ナイトタウンミーティング」が行われたのだ。市民と直接話しかける、話し合うことを目的に、毎回テーマが決められ行われている。この日は「郵政民営化」がテーマ。会場には多くの人が集まり、先ほど新橋で行われた遊説を見てから来たというサラリーマンもいた。


 講演の中で竹中大臣は、「郵政民営化は、民間開放のシンボルである。また同時に、郵政民営化の議論の8割は金融に関することであり、戦後最大の金融改革でもある」と述べ、今後さらに細かい議論に注力していくことをアピールした。