冨田勝環境情報学部長と曽我朋義先端生命科学研究所助教授の研究グループは、生分解性プラスチックの原料となるポリ乳酸を、効率的に作り出すバイオテクノロジーの研究に着手する。2年後の実用を目指している。生分解性プラスチックは、土中や海中で微生物によって数年で分解される、環境にやさしいプラスチックとして注目されている。


 生分解性プラスチックは、トウモロコシやジャガイモなどから加工したでんぷんを発酵させ、生成された乳酸を高分子化したポリ乳酸を成型して生産される。
 でんぷんを乳酸にする発酵プロセスがボトルネックになっていたが、今回開発するバイオテクノロジーを用いることによって、生分解性プラスチックの生産コストを大幅に削減することに貢献できる可能性があるという。
 冨田教授はSFC CLIPのインタビューに対して、「環境情報学部でバイオをはじめた10年前から、いつかは環境分野に応用したいと思っていた」と述べ、実用化後は、環境政策系の研究室との連携も視野に入れていることも明かした。