悩み事があるけどなかなか相談できる人がいない。単位が取れそうになくて頭がおかしくなりそう。そんなとき、学生相談部門を利用してはいかがでしょうか。今回のKFCはウェルネスセンターに設置されている学生相談部門の紹介です。保健衛生の授業も担当されている、濱田庸子環境情報学部教授にインタビューを行いました。


学生相談部門とはどういったところなのでしょうか
 まず、ウェルネスセンターという組織はSFCだけのものです。ウェルネスセンターの中には「体育部門」、「保健管理部門」、そして「学生相談部門」があります。その学生相談部門で学生からの相談を受けています。ウェルネスセンターを創るというのは、SFCを創る際の一つの大きな柱でした。保健・体育・心理がコラボレートして、学生生活のウェルネスを考えていこうという目的があったのです。
 また、慶應義塾大学としては学生総合センターという組織があり、その中の一部門として学生相談室があります。ですから三田や日吉、矢上などでの学生相談は学生総合センター内の相談室で受けています。そのためSFCに学生相談室はないということになり、大学から来る学生相談室便りといったものにはSFCが抜けてしまっています。
学生の利用率はどうなのでしょうか
 毎年統計をとっており、設備の追加もありますが開設から増加を続けています。1ヶ月にだいたい100名ほどの学生さんが相談に来ています。もちろん来る必要があるからですが、1年生から来る学生さんもいらっしゃいます。
季節によって利用率は違うのでしょうか
 ピークが2回ありまして、5月から6月と10月です。学期が始まってちょっとした頃ですね。あと12月とか1月など学年末になって「単位が取れない。どうしよう」とギリギリになってパニックになって訪れる学生さんもいらっしゃいます。
その際はどのようなカウンセリングをされるのでしょうか
 ケースバイケースになります。守秘義務があるので御本人が望まなければしませんが、担当教員と連絡をとったり、診断書を書いたりという対応をすることもあります。担当教員との橋渡しはしますが、もちろん最終的に単位を出すか出さないかは担当教員の判断です。単位が取れることを保障するものではありませんが、何らかの善後策を一緒に考えることは出来ます。ただ、あまりギリギリになるとこちらも対応の仕様がない場合もあります。早めに来てくださればここから学習指導の先生と連絡をとったりとか、他の部門との連携も可能です。
敷居が高いように感じてしまうのですが
 そんなに病気の人が行くというところではありません。学生相談と言うと一般的には履修相談であったり、就職相談も学生相談と言っています。ただSFCでは、履修相談を「学習指導」で、就職相談を「学生生活」で受けているので、「学生相談部門」では心理的に問題があったときに来るところと捉えられていると思います。ですが、それほど深刻な問題ばかりではありません。1、2回相談に来られただけで、すっきりして帰られていく方が大部分なのではないでしょうか。
気軽に足を運んでも構わないということでしょうか
 もちろん構いません。ただ、ウェルネスセンターには心理臨床学会という学会の中でも優秀な方が多くカウンセラーとしていらっしゃっています。ですから深刻な問題を抱えた学生さんを支える技術もありますし、気軽な相談を受けることもできます。
 中には学内というのが気になる、という学生さんもいらっしゃると思います。そういう場合は電話やメールを出してもらえれば対応しますし、また学外への紹介ということも出来ます。色々な入り口として使って頂くことも可能です。
利用方法はどうなっているのでしょうか
 受付に直接来て頂くか、お電話をして頂いても構いません。そこで予約をして頂いて、当日でも空きがあれば受け付けることは出来ます。今は毎日3人のカウンセラーが待機しています。お忙しい方は予約で埋まっていることもありますが、緊急対応をすることも可能になっています
学生にメッセージはありますか
 まず気軽に利用してくださいということです。あとこちらに来られるのを見られたくないという学生さんについたてをしたということもありますし、細やかな対応が出来ますので悩んでいないでとりあえずこちらに来て頂きたいと思います。またこのセンターの特徴として、私は精神科医なんですが軽い問題から重い問題までカウンセリングできますし、重たい問題で医療が必要な場合は外部に紹介することも出来ますので、そういった点でも他のキャンパスに比べて対応の幅は広いと思います。
ありがとうございました