14日(木)・15日(金)に、新カリキュラムへの移行措置説明会が開催され、移行措置による在校生の卒業条件の変更などが発表された。卒業に必要な単位数や条件の数は変わらないものの、科目の分類が大きく変わるため、来期の履修申告からは十分に注意をする必要がある。


 Ω11で行われた説明会には連日、100名を超える学生が参加。カリキュラム改定を担当した萩野達也環境情報学部教授を始め、楠本博之環境情報学部助教授、井庭崇総合政策学部専任講師が壇上に立ち、新カリキュラムの理念と概要、移行措置について語った。
 卒業に必要な単位数は従来どおり124。その他の条件は、外国語科目、情報技術科目、ナレッジスキル科目、ウェルネス科目、専門科目、クラスター科目に関する6点。この条件の数は変わっていない。
 大きな変更点として、専門・クラスター科目に関する条件の緩和とも言える変更が挙げられる。基本的に、専門科目は先端導入科目、クラスター科目は先端開拓科目と呼ばれる科目群に移行する。従来は共通基盤・複合系及び所属学部に応じて総合政策系・環境情報系から、専門・クラスター科目を16単位ずつ取得する必要があった。しかし、新カリキュラムでの複合系に相当する区分の廃止に伴い、全ての先端導入・先端開拓科目を、卒業に必要な専門・クラスター科目として扱うことができる。
 なお、現行カリキュラムと新カリキュラムで名称のみが異なる科目も多数発生する見込みで、全ての科目の対応の一覧は3月までに発表になる。また、同じ科目であっても科目の種別・単位数が変更になるケースも多く、十分に注意が必要だ。
 説明会の最後には冨田勝環境情報学部長からのメッセージが紹介され、来年度以降の入学者は現在の卒業制作に相当する卒業プロジェクトの履修が義務になることを紹介し、在校生にも卒業制作の履修を強く呼びかけた。
■転部の必要性薄く -来年度は志望者減少か
 従来からSFCでは、総合政策学部・環境情報学部間で多くの転部者が出てきた。これまでのカリキュラムでの卒業条件の上では、専門科目・クラスター科目の分類のみが両学部間での差であった。だが、今回の移行措置により実質的にほぼ同じ条件になるため、転部志望者の減少が予想される。
 転部を考えていたという総合政策学部1年の学生は、SFC CLIPの取材に対して「転部の際に、07年度入学扱いになって適用される学則がかなり変わってしまうのが大きな不安要素だったので、今回の措置で転部の必要性が薄くなったのは素直に嬉しいです」と答えた。
■卒業に必要な条件
●合計124単位以上
ただし、次の単位は卒業に必要な124単位の中に含めることはできない。
・自由科目として修得した全ての単位
・特設科目として修得した単位のうち、20単位を超えたもの
・他学部設置科目として修得した単位や、入学後に他大学(留学など)などで履修および認定されて修得した単位の合計のうち、60単位を超えたもの。※1
●旧外国語科目と創造技法言語コミュニケーション科目、英語基礎1、英語基礎2から10単位以上
ただし1言語で8単位以上、別言語で2単位以上
●旧情報技術科目、創造技法プログラミング科目、情報基礎、情報技術ワークショップから8単位以上
●旧ナレッジスキル科目、創造技法ナレッジスキル科目から4単位以上
●保健衛生または心身ウェルネス、体育Iまたは体育1、体育IIまたは体育2、体育IIIまたは体育3を4単位修得のこと
●旧専門科目(※2)および総合政策先端導入科目、環境情報先端導入科目から16単位以上
●旧クラスタ科目(※2)および総合政策先端開拓科目、環境情報先端開拓科目から16単位以上
※1
他学部設置科目として修得する単位の中には、総合政策学部の学生は、環境情報学部設置の先端導入科目、先端開拓科目、環境情報学部の学生は、総合政策学部設置の先端導入科目、先端開拓科目が含まれます。
※2
総合政策学部の学生は、共通基盤科目、総合政策系科目、複合系科目
環境情報学部の学生は、共通基盤科目、環境情報系科目、複合系科目