今年も11月に予定されている「SFC Open Research Forum 2007(以下、ORF)」が、六本木ヒルズで再び開催されることがわかった。昨年度に引き続き実行委員長を務める國領二郎SFC研究所所長に、六本木での開催となった理由や意気込みについて話を聞いた。


 ORFは、SFCにおける研究成果を広くアピールし、産官学連携の活性化を図るイベント。1996年から年に一度開催され、今年で12回目となる。昨年は東京・丸の内での開催となり、オープンスペースを使った展示など新たな試みも見られた。03-05年のORFが六本木ヒルズ森タワー40階のアカデミーヒルズ40で開催されており、六本木での開催は今年で4回目。

今年のORFのテーマは何でしょう?
 まだ公式のテーマは決まっていないんですが、SFCがどういう所でありたいかということを、皆さんにわかりやすい言葉で訴えていこうとしています。
今年の開催地は六本木とお聞きしたのですが。
 六本木に決まりました。
六本木以外に候補地はあったのですか?
 やっぱりSFCです。皆が普段SFCで研究していることをそのままの形で見てもらえますから、理想的なんです。立地のせいでお客さんが来にくいというデメリットがありますが、「それでもSFCに来たい」と思ってもらえるくらいの引力が欲しいですね。
今年のSFCには、都内から足を運んで貰えるほどの付加価値、「SFCに行かなければ見られないもの」がまだないということなのでしょうか?
 正直そうかもしれないです。SFCを、人がたくさん来てくれるような魅力あるキャンパスにしたいと思っていますが、今年の秋の段階でそうなっているかというと、そうでもないんじゃないかという判断があったのも事実です。だからといって、今年はその状態を黙って見ているのではなく、SFCが近い将来どういう風に展開していくかを見せていくORFにしたいなと思っています。
その他に六本木で開催する理由やメリットはありますか?
 去年丸の内で開催させて頂いて、良い事がいっぱいあったと思っています。オープンスペースで開催することで、SFCを知らない人にもORFを見て頂けたというのは、とても良かったと思っていて、今年もまた同じ形式でやりたい気持ちもあります。
 けれども、去年はかなり無理しちゃったかなという感じがあって。オープンスペースで開催するためにお金もたくさんかかりましたし、オープンスペースでの展示準備は、人が誰も居ない夜中の2時や3時に集中的に作業をしなくてはならないので、マンパワー的にもコストがかかりました。だから、またやりたい気持ちはあるけど、ちょっと毎年やるのは無理かな、と…
 だから今年は、御招待した方中心に見てもらうという以前のパターンに戻ります。たまたま通りがかった人が誰でも見られるという形態にはなりません。やはり御招待した方に見ていただく事は毎年続けていきたいし、六本木のように、ワンフロアであれだけのスペースを確保できる所はなかなかないので。
 あと、G-SECと一緒にやれるといいなと思って、お誘いをしています。
過去に六本木でORFが開催された時との違いや、変えたい点はありますか?
 SFCそのものがどんどん進化していくので、進化していく中での新しい姿を見せていきたいと思っています。
ORFの開催中、同時にSFCで何か行うということはありますか?
 それも今考え中です。SFCで動いているシステムを六本木と繋いで、連動型のものが出来ると嬉しいですね。
学生にはどう呼びかけていきますか?
 一緒にSFCを表現しましょう。
研究会に入っていない学生はORFとの繋がりが薄いと思うのですが、そのような学生に対してはどう呼びかけますか?
 どうしたらそのような学生も参加しやすいものにできるか考えたいです。ただ、ORFを単なるお祭りにはしたくないんです。一緒になってSFCを外に見せていくには、自分達が楽しいだけではなく、外に対してアピールをしなくてはいけない。それに参加してみませんか、という風に呼びかけたいよね。
2008年度や、それ以降の計画などはありますか?
 来年もSFCでやりたい思いはありますが、まだどうなるかはわかりません。今、慶応義塾の150周年事業ということで、キャンパスを大きく変貌させるプランが動いています。それが完成した暁には、多くの人にSFCを見て頂きたいです。もう一度皆が「SFCを見てみたい」と思えるようなキャンパスにしたいですね。
今年のORFに向けての抱負をお聞かせください。
 1人でも多くの方に、SFCの魅力を強力に発信していきたいですね。いろんな意味で、SFCと一緒になって世の中を変えていきたいと思って頂きたいです。
読者へのメッセージをお聞かせください。
 やっぱり、尖ってなくちゃSFCじゃない。どう尖るかを皆で考えて表現しましょう。ORFは、とにかく表現の場です。みんなにSFCを知ってもらう場です。ひとりよがりではなく、みんなにわかる形で表現しましょう。
 だから、SFCがどうありたいのかを皆で考えて、皆で表現して、世界中にわかってもらえるようにアピールしていきたいと思います。