5日(水)-7日(金)に開催された、WISS2007(第15回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ)にて、神山友輔さん(環4)、田中舞さん(環2)、田中浩也環境情報学部専任講師による『Oto-Shigure(持ち運び可能な傘型仮想音響場生成デバイス)』が最優秀対話発表賞を受賞した。


 『Oto-Shigure』は、神山さんと田中さんによるユニット「OcosK」が制作した、傘型の音発生装置だ。傘の骨の部分に振動子が付いており、傘が震えることでスピーカーの役割を果たす。これにより、傘の下にサラウンドな音響が生成され、音が振って来るような感覚を楽しめるというもの。傘を使った既存の研究は、視覚に訴えるものが多く、歩行時の利用には向いていなかった。そこで、歩行の邪魔にならない、聴覚を使った情報提示を行ったという。
 WISSは、日本ソフトウェア科学会とインタラクティブシステムとソフトウェア研究会が主催するワークショップ。毎年、インタラクティブシステムやソフトウェアに関する論文の発表や、ポスター・デモセッションが行われる。対話発表賞は、最も優れたポスター・デモ発表に贈られ、参加者の投票で決定される。『Oto-Shigure』は31票で1位の受賞となった。
 OcosKのお二人に、作品制作の際の苦労や受賞についてコメントを頂いた。
 「夢中で作ってるのはよかったのですが、途中で冷静に考えてみたら、なんでこんなもの作っているのか二人ともさっぱり分からなくなって、悩み続けたことがありました。結局、作り終わって実際使ってみるまでよく分からなかったのですけれど。だから今回のデモ賞での受賞も、使った人に感動してもらえた、ということに喜びを感じています。考えるだけでなく、作り続けないといけないですね。」