ORF2008では、例年のようなブースでの展示に加え、新たな手法による展示が行われた。それぞれの内容はSFCらしく多種多様で多岐にわたり、セッションに負けない盛り上がりが見られた。そのうち、幾つかの展示を紹介する。

冨田研

冨田勝研究会のブースでは、大きな緑色の装置が目を引いた。これは新種の緑藻を光合成させることでバイオ燃料を生成できるというもので、冨田研では現在このメカニズムを解明中とのこと。

脇田研

脇田玲研究会では、色が変わる布"Fabcell"や、有機的な動きを見せる布などが展示され、生き物を展示しているかのようなディスプレイ演出が人々の興味を惹いた。

湘南藤沢学会

湘南藤沢学会のブースでは、「研究や活動の成果、作品を発表したい」「来場者からのアドバイスが欲しい」「来場者と一緒にコラボレーションしたい」と考えるSFC生らが、展示・デモンストレーションを行った。出展者の1人である岩田崇さん(政・メ)は、第5回スマートITコンテストの「みんなが安心・安
全」部門賞に輝いたアイデア「PoliNeCo(ポリネコ)」のWEBサービスを発表した。世界初のオンライン政策マッチシステムにより、有権者と議員のコミュニケーションを「選択」から「一緒に考える」へ変えることを目指すと言う。

スーツケース

また、今年は「スーツケース・デモ」という新たな手法による展示も実施された。スーツケース・デモはその名の通り、スーツケースの中に凝縮させた日々の研究活動を詰め込み、会場を動き回りながらデモンストレーションするというもの。会場内の様々な場所で、スーツケースを開いてデモを行う出展者の姿が見受けられた。ちなみに、これらのスーツケースには位置情報を取得するタグが取り付けられ、すべてのスーツケースの現在地が、エントランス付近のディスプレイで確認できるようになっていた。
 

スーツケースデモ インターネット自動車

インターネット・リサーチ・ラボのスーツケース「インターネット自動車」では、ラジコン自動車2台の通信およびラジコン自動車1台とスーツケースの通信による、車々間通信ならびに路車間通信のデモを行っていた。インターネット自動車の研究は、自動車とインターネットの組み合わせによる車々間通信で、ワイパー動作に関するデータを収集することが、降雨の有無に関する詳細な情報につながるなどの可能性を提示している。
 

高汐一紀研究会

高汐一紀研究会のスーツケース「視覚障害者の安全な屋外歩行のための移動体動作予測手法と情報提供手法」の研究は、街中にネットワークカメラを設置した上で、道路を走る自動車などのデータと利用者端末の位置データとを照合させ、危機回避のための情報を提供するというもの。デモでは、映像データを解析することによって実際にどのような情報が提供されるかを実演していた。