11日(木)、衆議院議員の河野太郎氏が「予算編成論」(加藤秀樹総合政策学部教授担当)でゲスト講演を行った。


 河野議員は義塾経済学部入学後2ヶ月で退学し、渡米したエピソードを紹介。「将来の首脳会談では英語で話が出来なければと思っていた」と、当時から政治への強い思いがあったと語った。
 渡米後は、現在の共和党上院議員シェルビー氏の政治事務所でインターンシップを経験。米国では、政治家を支えるスタッフの助言が政治家の判断に大きな影響を与えており、日本との違いに驚いたという。
 日本への帰国後は民間企業でのサラリーマン生活を送っていたものの、96年に衆議院議員に初当選。「国会議員は何時に出勤しているのか」という有権者からの質問を受けて、国会議員としての生活を記した日記をWEBに掲載するようになった。
 河野氏は「国会議員それぞれがどんな意見を持っているか、国民は直接知る機会がない」と現在の政治制度への疑問を述べた上で、「ある法案に対するそれぞれの議員の意見をWEBに掲載してみたら、とても大きな反響を得ることが出来た」とITを活用した将来の政治制度変革への意志をのぞかせた。
 講義の主題であった予算編成については、自民党内の無駄撲滅プロジェクトチームでの活動を説明した。「(一例を挙げれば)各省庁発行の広報誌は、その存在すらほとんど知られていない。広報が必要であることは間違いないが、その配布方法などは改善する余地が多いのではないか」と述べ、同プロジェクトの中で4億円近い省庁の無駄を発見できたとした。
 一方で国全体の予算と比較し、これらの削減分は「微々たるもの」だとも述べ、「まずは地方も含めた既存の予算すべてを政策・事業ずつに再点検しなければいけない。毎年計上される予算についても年度ごとに見直しを繰り返す、新たな予算編成の仕組みが必要だ」と強調した。
【河野太郎氏・略歴】
 河野洋平衆院議長の長男、祖父はかつての自民党重鎮であった河野一郎。1986年富士ゼロックス、93年日本端子勤務を経て、96年衆院議員に当選。現在で4期目。05年第三次小泉改造内閣で法務副大臣に就任。慶応義塾大学経済学部中退。米ジョージタウン大学比較政治学専攻卒。