5日(水)任期満了に伴う総合政策学部長選挙が行われ、現職の國領二郎総合政策学部教授が再選を果たした。2013年9月まで「おかしら」としてSFCの舵取りを任された國領教授。SFCの未来をどのように創造していくのか選挙直後に話を聞いた。

学部長写真

2期目のおかしらとして

 未来創造塾というSFCの大きなプロジェクトを前にして、教員の皆さんが「今は体制を変えず安定させたい」と考えていたことが、私を含めた3人の現職が当選するという結果を生んだひとつの要因だと受け止めている。

 また地震の影響も消えきっていない状況なので、その面からも今は動かさないほうがよいという見方もあっただろう。

 2期目はあまりゴタゴタといろいろな事を始めるというよりは、1期目に手をつけたことに区切りをつけたい。その最たる物が未来創造塾。「よし、やるぞ!」と思ったところでリーマンショック、一段落して「頑張るぞ!」と思ったら東日本大震災が起こった。資金的にも苦しいし、まるで障害物競争のようだけど、ネバーギブアップでやり切る。最後はあの土地にテントを張ってでもやる。

 もう1つ区切りを付けたいものは鉄道。まだ詳しいことは話せないけれど、必死に頑張っている。

地球規模で問題発見解決ができる「クワトリンガル人材」の育成

 世界に対応できる人材、地球規模で問題発見解決をできる人材を育てていきたい。そのためには「日英外人」が使いこなせる人を育てたい。

 「日」は日本語が使いこなせる人。SFCはフィールドワークを大事にしている。だからこそ留学生にも学部4年生や院生になった時には日本語で授業を受け、日本でフィールドワークをできるだけの日本語を身につけてほしい。「英」は世界共通語としての英語。英語は道具だ。そこにさらに「外」。英語だけでなくもう1つ第二外国語を学んで分かるようになってほしい。最後に「人」。人工言語を使いこなせるようになってほしい。

 「日英外人」、この4つの言語を使いこなす人、クワトリンガルな人材になれた時、地球規模で問題発見解決ができる人になるだろう。

人材育成のためのソフトとハードが連動した改革

 SFCを未来に向けた世界的な学塾にしたいという理想が私にはある。理想を追い求めるカリキュラムを作り、それを追いかけられるハード・設備を作り、そこで地球規模で問題発見解決ができるクワトリンガル人材を育てていきたい。

 具体的には未来創造塾という滞在型の施設を作るのに合わせて、そのハードをフル活用できる新しいカリキュラムを同時に考えていきたい。ハコがあってもそれだけではダメ。ハコに魂を込めるにはやはりカリキュラムだ。

 現状の設備の中で行っているハウスの取り組みと今年の夏の未来構想キャンプの取り組みから、未来創造塾が出来たときの具体的なイメージとそれに対応したカリキュラムを創っていきたいと思う。本当は今年の夏の未来構想キャンプも未来創造塾でやりたかったのだけどね。

 このキャンパスで夜の10、11時くらいまでわいわいやれて、一緒に泊まって、みんなで朝キャンパスを散歩できたら、いいよね。今でさえこんなに、みんなで仲良くキャンパスを盛り上げていられるのだから。