23日(火)、ORF2日目のプレミアムセッション「高校生のためのSFC講座」が開催された。高校生がSFCの教育や研究活動について、現場の教員に質問することができる。10:00という早い時間のスタートにも関わらず会場はほぼ満席となった。Twitterのハッシュタグが用意され、前方のスクリーンにタイムラインが流されるなど、SFCの授業風景にも似た環境のもとでセッションは始まった。


■パネリスト
・新保史生総合政策学部准教授
・古谷知之総合政策学部准教授
・神成淳司環境情報学部准教授
・内藤泰宏環境情報学部准教授
・山内慶太看護医療学部教授
・宮川祥子看護医療学部准教授
・大前学政策・メディア研究科准教授

会場の様子

高校生の気掛かりは?

会場の雰囲気もあってか、昨年と比べると堅い質問が続いた。
Q.入試の小論文は先生方の論調に合わせて書いた方が合格しやすいですか?
A.確かに受験産業というものの中では、こう書いた方が良い、みたいな本が売られているかもしれませんが、それは間違ったものばかりです。そもそも、SFCの教員は考えがバラバラなので、合わせることはできません!
Q.私は「食」と「国際支援」に興味持っているのですが、両方を合わせた研究はできますか?
神成淳司環境情報学部准教授
「僕は農業とテクノロジーと社会学を合わせた研究をしているよ」
大前学政策・メディア研究科准教授
「食べてばっかりいると僕みたいになっちゃうけどね」

神成淳司環境情報学部准教授

大前学政策・メディア研究科准教授

Q.SFCに通いながらも理科教員の免許は取得できますか?
A.多分できないと思いますが、一応学事に確認して下さい。SFCを卒業してから別の学校で取得するのも手ですよ。

スペシャリスト? ジェネラリスト?

高校生の「SFCは何でも学べると言うが、逆に何が学べないのか?」という質問は特に議論を呼んだ。内藤泰宏環境情報学部准教授が「SFCはスペシャリストではなく、ジェネラリストを生む学校」と言ったのに対し、神成淳司環境情報学部准教授は「スペシャリストになる道も用意はされている」と語るなど、異なる意見が交差する。大前学政策・メディア研究科准教授の言った「最初からジェネラリストを目指してSFCに来るのはサイアク」という意見には全員が頷いていた。

会場からも上がる声

このセッションは登壇者以外の教授からの関心も高く、数人の教授が会場で高校生の声に耳を傾けていた。國領二郎総合政策学部学部長、村井純環境情報学部学部長も参加しており、SFC教授陣の高校生への関心の深さが伺える。高校生から「どうして湘南台のような田舎に学校を作ったのですか?」という質問が上がった際には、國領二郎総合政策学部学部長が立ち上がり「当時はバブルで東京の土地が高かったからです」と答えた。

國領二郎総合政策学部学部長

村井純環境情報学部学部長

SFC目指してるのに!

そんな中で、Twitterのハッシュタグはその機能を活かしきれなかったように感じた。#SFCmz(SFCを目指す)というハッシュタグが用意されていたのだが、高校生が一度もこれを利用してツイートしなかったのだ。教授とSFC生のツイートだけでタイムラインが埋まり、内輪感が否めなかった。しかし、セッション終了後、高校生に話を聞くと「先生が楽しそう」「堅くなくて良い」「SFCの良いとこ悪いとこが見えて入学後の不安が解消されて良かった」とコメントしていた。

スクリーンに流れるタイムライン

高校生の疑問を解消する助けとなっただけでなく、SFC生にとっても初心を思い出させるセッションであった。