鉛筆を鉛筆にしている要素は? TIQ展が迫る「もの」の本質
山中俊治デザイン研究室の荒牧悠さん(環4)は7日(土)-12日(木)、初めての作品展であるTIQ展を開催した。コンセプトは、「もの」をそのものたらしめている要素を浮き彫りにすること。鉛筆やはさみなど、身近なものが多く展示されていた。
引き込まれる不思議な感覚
会場は代官山駅から徒歩3分のところにあるビルの2階。受付では、曲がった鉛筆で名前を書く。受付の時点でTIQ展の不思議な感覚に取り込まれた。
会場の様子
会場には13の作品が展示されていた。鉛筆を曲げたらどうなるのか。右手と左手をつなげたらどう動くのか。荒牧悠さんが日常生活で感じた疑問が作品になっていた。多くの作品は実際に触れて、体験することができる。
日常で感じた疑問の展示
13作品の一部を写真で紹介する。
鉛筆節
受付で使った鉛筆。右利きの人でも左手で書くと持ちやすかったり、普通とは違う持ち方の方が書きやすいこともある。
三点から出るしょうゆ
口が3つあるしょうゆ差し。知っての通り、普通のしょうゆ差しは口が1つ。3つの口から液体が出る違和感を体験しよう。
ドアとは
手を近づけるとドアが開く。日常的に使っている自動ドアとこの小さなドアでは、感覚にどのような差があるのだろうか。
全体的に、日常使っているものに少しだけ変化を加えた作品が多い。日常で使い慣れていて、その感覚が染み付いているものは、少し違う属性を与えたり、見る切り口を変えたりするだけで、ある種の「気持ち悪さ」を感じるものだと気付く。
次回への糧に
荒巻悠さん
前回のインタビューでは「来場者がどのような反応をするのかが楽しみ」と語っていた荒牧さん。編集部員の「気持ち悪かった」という感想にも笑顔で対応してくれた。
個展を開催してみての感想を伺うと、「知り合いではない方の想定外の来場が、思っていた以上に多くて嬉しかったです。時にはご意見をもらいました。頂いたご意見は次回への糧にしたいと思います」と語った。
今後の荒牧悠さんの活動に期待が高まる。