13日(土)-14日(日)の2日間、SFCの秋の学園祭、秋祭が盛大に開催された。その中で、高校生に向けた企画「T-able(テーブル)」が秋祭実行委員会内の有志により開催され、特に注目を浴びていた。


 秋祭当日は大勢の人でキャンパスがにぎわい、SFC生だけではなく、訪れた中には、受験を目前に控えている受験生や、すでにAO入試でSFCに合格している新入生もいただろう。そんな受験生・新入生をターゲットにした企画が「T-able(テーブル)」である。

 企画はι11教室を丸ごと使って行われていた。受付を済ませると、「T-able Sheet」という1枚の紙が渡された。

 T-ableの運営メンバーは、全員1年生。代表の出水厚木さん(環1)に話を聞いた。


T-able1受付で渡される「T-able Sheet」


どうしてこのような企画を立案したのですか?



 僕が昨年高校生のときに訪れた秋祭では、受験生や高校生に向けたイベントがなく、SFCの内側を知ることができませんでした。せっかく多くの人がキャンパスに足を運ぶ機会なのに、SFCの大きな特徴のひとつである研究会などに触れられる場所がないというのは残念でした。そこで、研究会や学生団体が集まり、高校生がこうしたSFCの特徴を知ることができる場所を作ろうと思ったのがきっかけです。


「T-able Sheet(テーブル・シート)」とはなんですか?



 このシートに書かれた質問項目を、T-ableに居合わせた人に質問し、回答者の名前を書いてもらうというものです。ここには「署名活動」というアイスブレイキング手法を取り入れています。T-ableでは、来た人と待っている人がお互いに対話し合っていただきたいと思っています。この質問票をきっかけに様々な人に話しかけ、そこから会話が広がればと思います。


対象は高校生だけなのですか?



 もちろん、高校生だけというわけではありません。秋祭は、近所の人やそれ以外の様々な人がキャンパスを訪れる数少ない機会なので、ぜひたくさんの人に来て欲しいです。T-ableに来た方にSFCの研究を知っていただき、SFCの研究と社会をマッチングさせることができたらと思っています。

T-able311の研究会・団体がブースを設けた




SFC Open Research Forum(ORF)とは違うのですか?



 ORFとの違いは、「全員が同じ立場で」「食卓のように」対話するということにあります。ここはSFCの研究を一方的に紹介するだけではなく、来た人といろんな会話を交わして、情報を交換したり、共有したり、同じ目線で話し合うための場所です。T-ableという名称は、Talk、Trade、Tryという3つの「T」を可能(able)にする、という意味で作った造語です。


集まっている研究会や学生団体は、どのように選定しましたか?



 最初は研究会主体にしようと考えていたのですが、SFCで素晴らしい活動を行っている学生団体にも声をかけました。今回は1回目ということもあり、僕が興味ある研究会・団体や、知り合いに声をかけて協力していただいた形になりましたが、次回からはもっと幅広い領域の研究会や団体のみなさんにも来ていただけたらと思っています。


これからどうしていきたいですか?



 こういうイベントを秋祭で実施することに意義があると思っているので、これからもより良くしながら続けていきたいです。先ほども言ったとおり、もっといろいろな団体に出ていただきたいです。SFCの研究が社会のいろんなところに溶け込んでいることと同じように、秋祭も、ただのお祭りではなくて、研究会が様々なところに溶け込んでいるような、特別な祭にしたいです。



 「SFCの食卓」という理念のもと、キャンパスにあふれる学問をよりオープンにすべく開かれたT-able。今後の動向にも注目したい。