20日(日)、KBC実行委員会(以下KBC)が第7回KBC Business Contestの最終審査会を慶應義塾大学日吉キャンパス協生館藤原洋記念ホールで開催した。3ヶ月間、中間審査やメンタリングを通して磨き上げた成果を、それぞれの参加チームが発表した。


 KBC Business Contestとは、慶應義塾に在籍する学生や卒業生を対象としたビジネスコンテストである。KBCが設立された2006年から、毎年開催されており、今回は第7回となる。大学をベースに、学生が新事業を創出することを目的としている。また、社会で活躍する慶應義塾大学のOBを招き、単なる審査会に留まらない、アイデアをレベルアップできる「場」としてのコンテストを目指している。

KBC基調対談



 最終審査会は、杉江理氏(WHILL CEO)とKBC代表の宍戸直也さん(環2)による基調対談から始まった。審査会に出場したのは、KARAKURI(SFC)、Charat(SFC)、医療振興会(看護医療学部卒業生)、カケハシ(慶應ビジネススクール院生)、Edible Green(商・経済)、Azit(商・理工)の6チーム。いずれも最初の書類選考、中間審査会を通過したファイナリスト達である。

KBC1



 審査員には、KBC会長でもある國領二郎総合政策学部長も名を連ねた。

 各チーム10分間のプレゼンテーションと質疑応答が終わった後、表彰式が行われた。審査員の話し合いで最優秀賞・メンター三田会賞・情報産業三田会賞の3賞が、それぞれCharat、KARAKURI、医療振興会に贈られた。



 SFC CLIP編集部は審査会後、見事優勝したCharatの代表、村澤拓磨さん(環1)と石堂未夕さん(環2)にお話しを伺った。

KBC4


—-Charatはどのような団体なのですか。



 一言で言うと、キャラクターで遊べるCocochiSpace株式会社が運営するSNSです。日本のキャラクターで世界を元気にしたいという思いのもと、2012年12月から一般向けにサービスを開始しました。キャラクター好きの人が集まってクイズ対戦や診断をしたり、共通のキャラクター友達をつくったりできます。

 特徴的なのは、オタク同士の話題にのぼるキャラクターを軸にしていることです。ユーザーが自らキャラクターを登録し、キャラクターデータベースをつくることで、ユーザーライクなコンテンツをつくることを目指しています。


—-KBC Business Contestに参加したきっかけはなんですか。



 今後Charatをビジネスとして展開していくためのブラッシュアップを目的に参加しました。昨年も参加しており、決勝まで進んだのですが、「俺の嫁検索」という名前のせいか、優勝は逃してしまいました。だから、今年はCharatに名前を変えて、リベンジしました。


—-苦労したことはありますか。



 まずはデザインやコンテンツなど、サイトの開発ですね。でも一番苦労したのは、こういういわゆる"意識の高い"コンテストで「オタク」をフィーチャーすることです。審査員の方も高齢の方が多くて、キャラクターの魅力を伝えるのは大変でした。自らがオタクでありながら、オタクの嫌うようなことをしているのも少し違和感がありました。


—-優勝にあたって、どんなところが評価されたと思いますか。



 開発メンバーの優秀さですね。特に検索エンジンなど、Webサイトの技術的な面がとても評価されたと思います。本番のプレゼンでも、主に技術面を押し出していきました。

 また、前回の代表だった島岡さんが、プレゼンがすごくうまかったんです。いろんな人の協力があって優勝できました。それだけに、今回の優勝はすごくうれしかったです。


—-今後はどのように活動していくのですか。



 事業化を見据えて、日本のキャラクターの魅力的なコンテンツを提供できるように改良を進めていくつもりです。世界のオタクに貢献していきたいですね。

KBC3





 昨年春のスタート時点でメンバーが1人しかおらず、開催が危ぶまれた今回のKBC Business Contest。代表の宍戸さんの頑張りで、新たなメンバーを迎え、無事継続することができた。今大会では各チームの案件のレベルが高く、全チームに票が入る結果となった。

KBC2



 なお、KBCはビジコン後のアフターフォローも行っており、今後も継続的に起業の手助けをしていく。3月上旬にはKBC主催でStart Up Meetingというイベントを開催する予定だ。このイベントでは、起業家がなかなか表に出して言えないような悩み事を豪華メンター陣が一緒に考え、解決策を模索する。起業を考えている人は、ぜひKBCのイベントに参加してみてはいかがだろうか。