SFCで今、休学費用の減額に向けた活動を行っている学生がいる。佐藤遥香さん(環1)だ。30万円を超える休学費の内訳が不明瞭なことに疑問を持ち、納得できる休学費のあり方を実現するために始まった。

きっかけはひとつの疑問から

 この活動が始まったきっかけは、佐藤さんが休学について調べていたときに浮かんだ、あるひとつの疑問からだと話す。それは施設費と称された約27万円の内訳だ。
 現状では、休学するためには在学費として約6万円、施設費として約27万円、合計で約33万円を休学費として支払うことになっている。しかし、在学費や施設費の内訳は詳しく開示されていない。

 「気になったので学事に問い合わせました。すると、『どこにも記載がないので分からないが、多分、CNSや施設は休学中もそのまま使えるからだと思う』という返事が来ました。私は”多分”という言葉に疑問を感じました」と佐藤さんは眉間にしわを寄せる。

 内訳を明瞭にし、休学する人が休学費の内訳について納得した上で休学費を払えるようにしたい。こうして、この活動が始まった。

休学費問題3


これまでの活動

 現在この活動には28人が参加している。その中で、アンケートや署名活動を行ったり、他大学との比較や分析、広報等を行っている。また、実際に休学を体験した方へのインタビューにも取り組んだ。
 最近では、他大学で休学費の減額活動を行い、成功した方にも話を聞いたという。「これからも調査をつづけ、分析を行います。最終的には筋の通った資料を作成し、嘆願書を大学に提出する予定です」と、佐藤さんは意気込んだ。

活動は山あり谷あり

 納得できる休学費を実現するために活動を行ってきた佐藤さん。しかし、これまでの道のりは決して平坦ではなかった。
 「大学関係者をはじめ、卒業した方、また教授からもたくさんのダメ出しをいただきました。Twitterが炎上しかけたこともありました」と振り返る。他にも、他キャンパスの学生へのアンケートが難航するなど、課題はまだまだたくさん残っている。
 「しかし、多くの協力してくれる方々や団体に恵まれました。例えば、AIESEC慶應湘南藤沢委員会様からは、本当に大きな協力を頂いています。また、ここ1ヶ月で活動が広く認知されるようになりました。九州の大学の方からも声をかけてもらいました。嬉しく思います」と佐藤さんは笑顔を見せた。

休学費問題2


 「慶應義塾大学が、より良い学習環境になるために、ぜひご協力ください」と、熱意を込めて呼びかける佐藤さん。これからは、さらに本格的に署名やアンケートを行っていく予定だ。