クリスマスが終わり、寒さが厳しい上にすぐ日が沈み、気が滅入ってしまいそうなこの季節。今回は、そんなときでも楽しむことに全力な男前を紹介します。秋祭を湧かせたミスターSFC2014グランプリの猿田真一郎さん(総3)です。

ミスターSFC2014グランプリの猿田さん

— ミスターSFCグランプリおめでとうございます。改めてミスターSFCコンテスト(以下、ミスターコン)を振り返っていかがでしたか?

ミスターコンは、半年間という長い間、常に人に見られて評価されるという、なかなか普通ではない環境に置かれます。そのプレッシャーのなかでモチベーションを高く保とうとするには、皆さんの想像がつかないくらいに、精神的にも体力的にも大変な労力が必要です。なので、ミスターコン期間をやり抜くためには、僕が頼れる、そして僕のことを心から応援してくれる周りの人たちの力が不可欠だったと思います。
 

「猿田真一郎の内面を見てほしかった」ブログへのこだわり

— ミスターコンのなかで、印象的だったことは何ですか?

一番大変だったのは、やっぱり毎日欠かさず更新したブログかな。一般的にミスターコンといえば、ルックスが見られがちというか、5人の写真を並べて、「誰が一番イケメンか」「なんでこの子出てるの」とか噂されるような、そういうイベントですよね。でも、SFCのミスターコンだからこそ、SFCらしさを出したおもしろいものにしたかったんです。
 だからこそ、ただ周りの人に外っつらを見られるだけじゃなくて、この「猿田真一郎」の内面を見てほしかったし、「猿田真一郎」自身をちゃんと評価してほしいという想いがありました。それを考えた上で、じゃあ何が一番、僕という「メディア」を伝えられるかを考えたとき、ブログが一番有効ではないかと考えました。
 とはいっても、読み手のことを考えると毎回真面目くさいブログを書くわけにもいきません。そこで、どういう写真を使うかとか、どのくらいの長さにするかとか、相手が読み飽きず、しっかりした濃い内容だけど、また明日も読みたくなるような記事にこだわりました。ブログの内容としては、普段の生活のなかで楽しかったこと、浪人時代の苦労した経験のことなど、「猿田真一郎」自身を伝えることにこだわって、情報を発信していました。
 写真は、以前から仲良くしていただいている蒔苗優太くん(環2)に、ミスターコン期間を通して協力してもらっていました。蒔苗くんの撮るポートレートはプロ顔負けの質で、安心して任せていましたね。まだ世に出していない素敵な写真もたくさんあるので、機会があればぜひ見ていただきたいです。

猿田さんこだわりの写真がブログを飾った。(提供: 蒔苗優太さん)

— ブログ、読んでいました! 猿田さんがミスターコンをとても楽しんでいるように感じ取れました。

はい! 何よりも候補者がみんなすごい人たちなんですよ。顔だけじゃなくて中身もイケメン。僕は、ミスターコン期間中はどうしても他の候補者をライバル視していたから、そこまで心を開くことができていませんでした。でも、ミスターコンが終わってからは、一変してとても仲良くやっています。すごく個性的で魅力的な人たちに出会えたなって、それだけでミスターコンに出場してよかったなと感じるくらいです。
 

「もう出会い尽くした」SFCを飛び出して新たな出会いを

— それでは普段の学生生活についても聞いていきましょう。今はどういう研究をしているのですか?

今は、SFCの松井孝治研究会(古典芸能に見る日本の社会と文化)と商学部の齊藤通貴研究会(マーケティング)に所属しています。SFCでは落語を、三田ではマーケティングを研究しています。

— 三田の研究会にも入っているのですか! なぜ、SFCに所属しながら三田の研究会にも入ろうと思ったのですか?

2年生のちょうど今ごろの時期、SFCで出会うべき人にはもう出会い尽くしたな、という感覚が強くありました。SFCは地理的にも学部的にも隔離されていますが、もともとは慶應という総合大学です。なので、もっと今までとは違う価値観を持った人や、違う環境で育った人と触れ合う機会があったらいいなと思い、三田の研究会に入りました。消費者行動論という、消費者がどうしてその商品を手にとるのかということを学術的に研究しています。たくさんある三田のゼミの中で今のゼミを選んだ理由は、自分の直感的な部分が大きいです。
 

3年間で築き上げた愛する仲間たち サークル活動にも全力

— サークルはどこに所属していますか?

ミュージカルサークルEMと、アカペラシンガーズK.O.E.に所属しています。2年間、いろんなことにバランスよく力を注ぎながら、サークル活動もすごく力を入れてきました。

— それぞれのサークルでの、印象的だった出来事について教えてください。

EMの活動のなかで一番印象的だったのは、昨年のEMの引退公演です。ステージに立ったとき、「僕は、こいつらとこの舞台をやるためにSFCに入ったんだな。」と心から想える瞬間がありました。そう思えるくらいに全力を費やしたことが、すごく印象的でしたね。自分がどのように変わったかはいまいち自覚していませんが、同期からは「猿田が一番成長したよね」って言われます。仲間たちのことを心から信頼して、愛せるようになったかな……ちょっとオーバーだけど(笑)。家族のようにお互いのことを理解して尊重し合える仲間に巡り会えたことが、今の自分を作っているのかもしれません。
 K.O.E.は、すごく大きなサークルだから、1年生のときに自分の居場所を感じられなくてフェードアウトしそうになったこともありました。でも、やっぱりみんなで共通の「好き」というものに対して真剣に取り組むことがすごく楽しくて。全体曲という全員で歌う曲をみんなで輪になって歌っている瞬間が最高に幸せなんです。そういう素敵な仲間がいるのがK.O.E.かな。いい意味で、EMと比べられないですね。
 ミスターコンのときもサークルのみんなはすごく応援してくれました。両方とも大きなサークルなのに、まだほとんどしゃべったことがない1年生の子まで、「投票しました。頑張ってください!」と声をかけてくれることも。みんなが一丸となって僕を支えてくれたことに、すごく愛を感じました。感謝しきれないです。

— サークルにもとても力を入れていたのですね! 勉学やサークルのほかに、学生生活で力を入れていたことはありますか?

学生のうちに自分で心がけてチャレンジしたことは、外に目を向けることです。1年生のころから、夏は毎年バックパックを背負って海外に行っています。安旅だけど、イチから自分で計画して全部で10カ国くらい回ったかな。大人になったらお金もあるし欧米にも行けるだろうと思っている分、感受性の強い10代、20代のうちにいろんなところに出かけたいという冒険心がすごい強く湧いてきました。途上国を中心に、イスラエル、ヨルダン、カンボジア、ベトナム、タイ、中国、韓国、アメリカなど。いろんなところに行って自分の視野を広げ、人や文化を含めて多様な価値観を受け入れられるようにしてきたことが、学生時代に力を入れたことです。

— 今まで行った国の中で、どこが一番思い出深いですか?

死ぬまでにもう一度行きたいのはヨルダンです。ヨルダンは、中東だから日本人は危ないイメージを持っている人が多いんですが、実はすっごく温厚な人が多いんです。物価もすっごく安いから財布にも優しい。(笑) 特に思い出深いことは、砂漠ツアーに参加して砂漠の真ん中で一泊したことですね。砂漠にマットを敷いて星空を見ながら寝るのですが、映画の世界に入り込んだかのような気分になりました。太陽が沈むと同時にわぁって満点の星空が見えてきて、それが続くのがたった1時間くらい。というのも、すぐ月が出てきてしまって、その瞬間に月明かりで魔法がかかったみたいに星が消えちゃうんです。あの光景はもう忘れられなくて、死ぬまでにもう一度見に行きたいです。本当に魔法みたいでした!
 

「常に笑顔でいたい」辛さもバネに カラフルで明るい世界を

— 素敵な経験ですね! 最後に、いつも明るい猿田さんのハッピーの秘訣を教えてください。

「常に笑顔でいたい」という意識が強いです。笑顔っていうのは、1人が笑えばその場の空気がぱっと華やぐ、一番いい“伝染病”だと思います。僕はそういう明るい空間が大好きだからこそ、自分が明るい空間を作り出すことのできる人間でありたいのです。
 もう一つは、ミュージカルとの出会い。この学生時代のモラトリアムにミュージカルというものに出会って、大きく影響を受けました。ミュージカルにはいろんな作品があるけど、「生きることの喜び」や「生きることの美しさ」を描いてるものがとても多いです。常にミュージカルみたいなカラフルで明るい世界に生きていたいと思うし、今の日常がそうであるから、いつも楽しいのかもしれません。
 辛いときや落ち込んだときには、それをすぐバネに変換しちゃいます。悪いことがあったとしても、「あ、今そういうものが来るタイミングだな」と自分のなかで柔軟に受け入れるんです。その機会を、じゃあ次の自分のステップにどう活かせるかなということを考えるように意識していると、すごくポジティブに生きられると信じています。

猿田さんは終始笑顔が絶えなかった。

いつでも笑顔で明るい猿田さん。その裏に秘められているのは、実は圧倒的な「ストイックさ」かもしれません。
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