2018年3月、湘南台駅東口に新たな学生寮、NODE GROWTH 湘南台がオープンする。小田急電鉄の子会社であり斬新なまちづくりに取り組んできたUDS株式会社(東京都渋谷区)と、国内各地でのサマースクールなど、多様な学びの体験・空間デザインに取り組んできた教育系スタートアップのHLAB(東京都目黒区)がタッグを組んで運営する。SFCとの積極的な連携も予定している。

交流を促進するオープンスペースのイメージ(UDS提供) 交流を促進するオープンスペースのイメージ(UDS提供)

新たなコンセプトの寮として

結び目を意味する「NODE」と、成長を意味する「GROWTH」。NODE GROWTH 湘南台は、寝食を共にする学生たちがさまざまなつながりの中で大きく成長することを目指している。場所は、多くのSFC生が利用する湘南台駅から徒歩1分。10階建てで新築オープンする。全158室で全ての部屋が一人部屋となるので、158人の第一期生が入居することとなる。運営会社は小田急電鉄の子会社として、ハイセンスな空間デザインやまちづくりで知られるUDS株式会社で、彼らにとって初めての学生寮だ。

UDSは、住居のみを提供する集合住宅のような従来型の学生寮ではなく、入居者同士の交流や大学との連携が積極的に図られ、入居者の学びにつながるような場を目指している。そこで、UDSがこの新たな試みのために、寮内部のソフト面の設計についてタッグを組んだのが、教育系スタートアップのHLABだ。

HLABは、創設以来一貫して、日本におけるレジデンシャル・エデュケーション(居住型教育)の重要性を広めてきた。始まりは、東京や長野県小布施町をはじめとした各地で開催している、国内外の大学生・高校生を集めたサマースクール。また2016年からは、教育寮のプロトタイプを中目黒で運営している。これはすべて、生活空間の共有により発生する、「意図しない他者との出会い」が、教室での授業による学びを補完するという考えがベースにあるためだ。相互の学び合いを生むためにさまざまな工夫を行っており、今回はそのノウハウを学生寮という実際の生活空間に落とし込む。

RAが寮のコミュニティを創出

相互の学び合いを創出するために、NODE GROWTH 湘南台では、コミュニティ・マネージャーとしてのRA(Resident Assistant)を設置している。RAは、寮生同士でのイベントを開催するほか、大学教授などのゲストを招いたイベントを企画するなど外部との連携を促進する役割を担う。RAはその役割に対して家賃の割り引き(年間およそ24万円)を受けることができる。今後、イベントを外部に公開したり、外部の組織に寮内でイベントを開いたりしてもらうことも積極的に検討している。

SFC生の積極的な関わりを期待

UDSやHLABによれば、今回この新たな試みが湘南台で行われることになった要因のひとつとして、SFCと新たな寮のコンセプトの親和性の高さが挙げられる。寮の中で積極的な交流が行われ、外部に対しても開かれた寮を設計することは、学際的でさまざまな分野を組み合わせることが得意なSFCの性質と一致する。また、SFCはさまざまな手法で多くの「場」のデザインを行っており、SFCの知見を新たな学生寮で活かすことができるだろう。実際に寮の設計段階で、井庭崇総合政策学部准教授と井庭研究室がアイデア出しのワークショップを行っている。

そのため、UDSやHLABはSFC生の積極的関与を期待しているという。特にRAとして「場作り」に関わってくれることや、自身の研究やプロジェクトの会場・フィールドとして寮と関わってくれることを期待しているとのことだ。

新しい寮は湘南台駅のすぐ近くだ(UDS提供) 新しい寮は湘南台駅のすぐ近くだ(UDS提供)

4月1日に外部も参加できるオリエンテーションイベント

4月1日(日)午後には、NODE GROWTH 湘南台にて、オリエンテーションイベントを実施し、SFC生をはじめとした湘南台のコミュニティにも開放する。イベントでは、UDSの中川敬文社長や、HLABの小林亮介代表なども登壇し、NODE GROWTH 湘南台の目指すものや、デジタル化が進展する中での「学びの場」の将来などについてカジュアルな講演を行う。詳細については、今後追って発表していくという。

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