10日付けで、データサイエンス科目認定試験の廃止とデータサイエンス基礎科目の不開講が発表された。2022年3月以降は、データサイエンス科目認定試験に合格することなく、データサイエンス科目を受講することができるようになる。

「データサイエンス科目認定試験」制度の廃止

今回の発表は、keio.jpに掲載された「データサイエンス教育協議会」名義の文章においてなされた。これによれば、2022年3月で「データサイエンス科目認定試験」制度は廃止される。これからは、データサイエンス科目認定試験(デーサイ認定試験)は実施されず、データサイエンス基礎科目(デーサイ基礎)も開講されない。

これによって、デーサイ認定試験に合格していない人でも、デーサイ科目を取得し3年生に進級できるようになった。これまでは、デーサイ認定試験に合格しない限り、3年生への進級に必要な「データサイエンス1(DS1)」と「データサイエンス2(DS2)」が取得できなかった。なお、引き続きDS1とDS2の取得は3年生への進級条件に含まれている。

大学数学への集中と公平性の確保が理由

データサイエンス教育協議会は、デーサイ認定試験制度を廃止する理由として、大学数学への集中と、公平性の確保を挙げている。

デーサイ認定試験制度のもとでは、学生と教職員の両方で「本来大学で学ぶべき数学へ注げる力」が損なわれてしまっていたという。高校数学(数学Ⅰ・A・Ⅱ・B)を内容とするデーサイ基礎とデーサイ認定試験に注力するあまり、デーサイ科目が目的とする「論理的思考力を含む」「基礎力」や「事例に基づく応用力」の習得がおろそかになっていたということのようだ。

また、コロナ禍においてデーサイ認定試験の公平性確保が難しかったことも理由としている。デーサイ認定試験は、コロナ禍以前は対面で実施されていたが、コロナ禍ではオンラインでも実施された。このような状況は、必修科目として「好ましくなく」、「早急に是正する必要」があったという。

高校数学が苦手な人へのサポートは継続か

今回の発表では、高校数学を十分に学んでいない人には「オンライン質問セッション」を活用してほしいとされている。オンライン質問セッションについては、すでに2021年度秋学期から開始されているが、4月に詳細が告知されるという。また、教職員は「データサイエンス科目(特にDS1)の授業の質を高めていく所存」だとしている。

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