2013年8月から、SFCの生協・食堂では交通系ICカードであるSuicaやPASMOが利用出来るようになりました。この導入から9ヶ月がたったいま、実際にどれだけの学生が電子マネーで支払いをしているのでしょうか。今回の貼ってQでは、生協や食堂での支払い時に現金を使うか電子マネーを使うか、SFCの学生に調査してみました。

現金派が約7割!

 今回は8日(木)-9日(金)、SFC構内にて独自でアンケートを実施し、SFCの学生157人(男性75人、女性82人)に回答していただきました。

 調査を始める前に、SFC CLIP編集部で予想を立ててみました。レジに並んでいるときの待ち時間が長く、またSuica等で支払う学生よりは現金を使う学生の方がよく見るという編集員の主観から、生協や食堂における電子マネー利用率は全体の20-25%近くなのではないかと予想しました。調査の結果は以下の通りです。

貼ってQ(1)白いシールは男性、黄色のシールは女性です。



 実際に調査をしてみると、現金派の学生が104人で約7割、電子マネー派の学生が51人で約3割という結果になりました。また、両方とも同じくらい使うという人は2人でした。なお、クレジットカードを用いて支払いをしている場合は、電子マネーに含みました。編集部の予想に比べると電子マネーを利用する学生の割合は高かったものの、それでも現金を使う学生が多いということがわかりました。

貼ってQ(2)


 それぞれの回答者に対し、なぜ現金派(電子マネー派)なのか、という質問をしてみました。電子マネー派の人はほとんどが「電子マネーの方が楽だから」という回答でした。「現金だとおつりの計算が面倒になる」や「Suicaで支払いをするついでに残高を確認している」という学生もいました。財布からお金を取り出して払い、おつりをもらうという過程が面倒くさく感じる人が多いようです。
 一方、支払いに現金をよく使うという学生からは、「交通費とそれ以外の出費を分けたいから」「今までずっと現金を使って支払って来たので、なんとなく現金で払っている」「Suicaにはあまりお金を入れないため、残高不足になる可能性があるから」「チャージをするのが面倒」などの回答が得られました。
 また、両方ともよく使う人は、「Suicaの残高が多いときはSuicaで、少ないときは現金にしています」と答えてくれました。


電子マネー払いは短く済む?

 SFC CLIP編集部では、現金を使う場合と電子マネーを使う場合とで、どれだけ支払い時間に違いが出るのか、実験してみました。
 実験はSFC生協食堂のレジで、SFC CLIP編集員の2人が行いました。支払いする際の条件は揃えて、2人とも定番メニューの「チキンおろしだれ(税込302円)」と「ライス小(税込64円)」を注文。店員の方が「いらっしゃいませ」と言ってから支払いが終わるまでの時間を、ストップウォッチで計測しました。

 実験の結果、早く終わったのは電子マネーでの支払いでした。かかった時間は8.76秒。「電子マネーでお願いします」と一言先に言ったおかげなのか、スムーズに会計が進みました。
 現金で支払いをした場合、同様の計測方法で22.58秒かかりました。366円の会計に対して400円出したためか、おつりの処理などに少々時間がかかったようでした。

 今回の実験では、約14秒もの差をつけて、電子マネー支払いの方が早いという結果になりました。注文する商品や混み具合、レジ担当の人によって若干の誤差が出るとは言え、電子マネーを利用することで、かなり支払いの時間の手間を省けるということになります。

生協・食堂の店長さんに突撃!

 SuicaやPASMOといった電子マネーを支払いに利用する学生が少ないということについて、生協・食堂の方はどう考えているのでしょうか。今回SFC CLIPでは、藤沢書籍購買部店(SFC生協)の店長である木村厚司さんと、藤沢食堂の店長である三橋建さんに、お話を伺いました。

— 支払いで現金を使う学生が多いことについて、どうお考えですか。

 実際の調査では、時間帯にもよりますがSFCの電子マネー利用率は20%以下なんです。消費税増税の影響で現金だと端数が出やすくなって、そのためか去年に比べて利用率は上がっているのですが、もっと電子マネーを使ってほしいですね。
 Suicaが導入されたのは去年の夏からなのですが、それまではSuicaではなくEdyで支払い出来る形になっていました。その当時は、Suicaを使いたいという声がSFC生からかなり上がっていて、私たちも期待してSuicaを利用出来るようにしたのですが、あまり使ってくれていないというのが現状です。

— 電子マネーを利用してほしい理由はありますか。

 生協でも食堂でも、12:40-13:00のお昼休みが一番混みます。多いときは、お昼休みだけで800人が列を通過します。そういう状況なので、レジの列が長くなってしまうのが一番の問題だと思っています。こんなに列並んでるしお昼我慢しようという人や、生協の入り口から入ってきてすぐ引き返す人もいます。あれが見るに堪えないんです。
 こうした混雑緩和のため、空いてるレジがあることをお知らせしたり、Suicaを出来るだけ使うよう呼びかけているのですが、なかなかうまくはいかないですね。

生協混雑昼休みの生協レジは長蛇の列に。


— 現金ではなく電子マネーを使うと10秒以上早く支払い出来るので、多くの人が電子マネーを使うようになると、待ち時間も短くなりそうですね。

 そうなんです。5人くらいSuicaを使う人が続くとかなり早くレジが進みます。半分くらいの人がSuica使うようになったら、かなりすいすい行けるようになるのではないかと思っています。生協を利用されるSFCの学生さんがストレスなく授業に向かえる形を作るのが理想です。

貼ってQ(5)生協のTwitterアカウントでも、電子マネーを使うよう呼びかけています。


— これから少しずつ電子マネー利用者が増えていくといいですね。

 2年後3年後はきっと状況も変わっていると思いますが、最初のきっかけ作りが難しいですね。生協は学生の出資によって支えられています。なので、みんなで使いやすいようなお店にしようよっていう文化を作りたいと考えています。学生と一緒に何かやっていくことも重要です。

— ありがとうございました。



今後の動向に期待!

 今回の一連の取材で、生協や食堂で現金を使う学生が多いことや、生協の混雑が慢性的な問題となっていることがわかりました。また、電子マネー利用率が上がることは、混雑の要因を解決するだけの可能性を持っていることも感じられました。
 
 調査に協力して下さったSFC生の皆さん、どうもありがとうございました。今後も何か調査して欲しいテーマがありましたら、コメント欄や[email protected]までご意見よろしくお願いします。