SFC Open Research Forum 2006の1日目、22日(水)12:00-13:30に、丸ビル7階丸ビルホールにおいてオープニングセッション「慶應義塾創立150周年にむけて」が開催された。安西祐一郎塾長に加え、義塾評議員である福澤武三菱地所株式会社取締役会長を迎え、國領二郎SFC研究所所長が司会を務め、義塾の将来への展望と、特にその中でのSFCの役割について対論した。

ORF2006

セッションはまず初めに、今回のORFの実行委員長を務める國領所長がSFCの目指す産学連携について、従来の「大学は研究、産業界は実践」という図式を変え、これからの時代は大学も実践の場に積極的に入り、さらに産業界も研究・教育の場に入ってもらってコラボレイト(協働)したい、と説明した。
 それを受けて福澤武氏は、「世の中が細分化・専門化している現在こそ、自分の守備範囲以外に目を向ける必要がある。その意味で、相互的に「産」と「学」が協働していくことは重要である。さらに、全体をまとめて先導していく人材には今まで以上に教養が求められるだろう」と付け加えた。
 安西塾長は、世界を先導する人材の教育について、「慶應義塾は10年プランを立ち上げ、すでに始動している」と述べ、その中で具体的にはデザインに関する大学院を新設する計画があることや、世界の各地に慶應義塾の拠点を置いていく構想を紹介した。そして、「世界がリアルタイムになった現在は大学競争も世界を相手にしなければいけない。言うなれば現在は明治維新・戦後につづく第3の開国の時である」と述べ、「再び福澤精神が大切になる」と強調した。
 特にSFCの役割に関して安西塾長は、「福澤諭吉が適塾で24時間勉強していたように、365日24時間常に活動している世界基準のキャンパスであって欲しい」と強い期待を示した。それに対して國領所長が、「SFCの施設の一部は本当に24時間機能していて、夜中に見に行くと学生が床に寝ていることがある」と例を挙げると、安西塾長は「学習環境だけでなく生活環境も整えるために、外国の大学のようにDormitoryを作ることも検討している」と答えた。