SFC英語科担当だったサイラス・ロルビン元訪問講師が、今年2月に大麻取締法違反(所持)容疑で、現行犯逮捕されていたことが一斉に報道された。キャンパスでは大麻をめぐる相次ぐ不祥事に衝撃が走った。


 元講師は2月7日(木)の午前10時頃、東京・新橋の路上で職務質問を受け、リュックサックの中から大麻樹脂が見つかったため現行犯逮捕された。その後、3月に懲役6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を受けている。
 また、逮捕された時点で日本での就労ビザの期限が切れていたため、入管法違反(不法残留)容疑で米国に強制送還された。一部の報道によれば、義塾は元講師の就労ビザの確認を怠っていたという。
 義塾では10月にも学生2人が日吉キャンパス内で大麻を売買していたとして逮捕、起訴され、うち1人に対して5日に有罪判決が下されたばかり。さらに04年以降、5人の学生、大学院生が同法違反で逮捕されていたこともわかった。
 義塾広報室は編集部の取材に対し、「担当者が不在のため現段階ではコメント出来ない」と話した。
 サイラス元講師は、福岡県内の私立中高の講師を経て、05年度からSFCの英語科の授業で教鞭を執っていた。日本人学生への英語指導の他、海外への日本語の発信方法について研究をしていた。研究会では「abcjp.net」という日本語学習者向けのサイトを管理していたものの、事件の報道直後からアクセス出来なくなっている。
 元講師が担当していた研究会や授業については、昨年度秋学期まで通常通り開講され、学生の成績評価などはすでに終えていた。大麻や不法残留についての噂もなく、事件後は突然連絡が取れなくなっていたという。
 授業の履修者からは「気さくで、学生の信頼が厚くて、人を巻き込んでいくのが得意な先生でした」「面白い先生、といったイメージだったので驚いた。授業中もおかしな様子は無く、授業の評判も悪くなかった」といった声が挙がっている。