22日に行われたメインセッション「イノベーションは止められない」では、楽天の三木谷浩史会長と元NTTドコモ執行役員の夏野剛大学院政策・メディア研究科特別招聘教授が登壇。國領二郎SFC研究所長が司会を務め、「ネットイノベーション研究コンソーシアム」設立の発表と、イノベーションの重要性を語った。


まず、「ネットイノベーション研究コンソーシアム」の設立が発表された。楽天、Yahoo!、Microsoft、DeNAら10社あまりが参加し、ネットビジネスの創造性を高めるための研究活動や政策提言活動を行うとのこと。
 國領教授は「日本は既存の仕組みを守るあまり、革新的な動きが起こりにくくなっている。現状維持ができるという幻想を持っているが、革新していかないと未来はない」と語り、イノベーションの重要性を主張した。またコンソーシアムの設立について、「最近では『安心安全』の下で規制強化が進み、イノベーションが起こりにくい状況になっている。イノベーションがなくなると活力のない社会になり、かえって危険であることを認識すべき」と語り、規制強化が進む現状への危機感が背景にあることを示した。

三木谷氏と夏野氏

三木谷氏はネットビジネスへの誤った認識に対する啓蒙活動の重要性を主張。Eコマースを例に「政治家のネットが地方をダメにするという考えは間違い。EUなどでは楽天のビジネスモデルが地方活性化につながると評価されている」と語り、今後のネットビジネスの展望について持論を展開した。
 夏野特別招聘教授は「変化は当たり前。変化しないことを前提とするのはリスク」と語り、イノベーションに対する認識を示した。さらに携帯電話開発を例に「今の延長線上に未来が見えると楽な感じがする。だが大事なのは人々が何を欲しているかということ。今の延長線上、今の技術を積み上げて製品を作る姿勢はだめ」とし、イノベーションを前提とした姿勢が重要であることを語った。
 途中、会場にいた村井純常任理事もセッションに参加。「(イノベーションを阻害する規制について)私は楽観的だ。そもそもインターネットは法的にグレーゾーンだった。だがみんなが当たり前のように使っている」とし、人々のニーズとクリエイティビティの確保がイノベーションを推進させるのではないかとの考えを示した。

セッション後のアフタートーク