11日(土)、レクリエーションなどを通して新入生と上級生の横断的な交流を図る試みが、SFCのアリーナで行われた。SFCキャンパス裏に建設予定の学生寮を舞台とした「ハウス構想」の検証が目的。


 ハウス構想とは、SFCのレジデンシャルキャンパス化を通じて、全人的教育の実施を目指すというもの。義塾創立150年とSFC創立20年を記念して提唱された「未来創造塾」構想の核をなす。今回は入寮を想定し、新入生との親睦を深めるプログラムの実験が行われた。

ハウス集合写真

実験には一之瀬友博環境情報学部准教授、大前学政策・メディア研究科准教授、加藤文俊環境情報学部准教授、古谷知之総合政策学部准教授らが協力し、各メンターグループの新入生約60人が実験的にハウスメンバー役となった。
 ハウス構想では、学部2年生から4年生で構成されるハウスリーダーが主に企画・運営を主導する。今回は有志11名がハウスリーダー役となり、実験の運営を行った。実験では大縄やキンボールなどのレクリエーションのほか、皆で昼食をともにするなどし、ハウスメンバー役の新入生は様々なプログラムで親睦を深めていた。

キンボールの様子 タブリエでの昼食の様子

参加した新入生に感想を聞いてみると、「友達を作るきっかけになった」「授業で会うと顔がわかってうれしい」「今回のイベント自体純粋に楽しかった」など概ね好評の様子。在学生で構成されるハウスリーダーらは、「ハウス構想をSFCの基盤となる大プロジェクトと捉え、頑張っていきたい」との抱負を語った。今後も親睦を深めるイベントが計画されており、「総合政策学の創造」内で行われる政策コーカスにおいても、ハウス構想の議論が行われる予定。
 今回の試みについて大前学准教授は、「SFCは日吉・三田キャンパスのように2年ごとの入れ替えがなく、人間関係のリセットが効かない。だから大学側で友好関係を築ける場を作ることは大事。しかし意欲ある有志だけでやるとどうしてもクリーンなものになって、それをやっかむ者は入ってきづらくなる。そういった輪に入ってこない人たちをどのように取り込んでいくかが課題」と語り、ハウス構想を軸とした全人的教育の必要性を示した。