24日(火)ORF2日目に、「SFCの次の20年」を語る上で最も重要な位置を占めるであろう「SFC 未来創造塾」の構想がセッションを通じて語られた。今回はパネリストとして建築家の槇文彦氏を招くなど着工への現実味をアピールしつつ、未来創造塾の具体的な運用についての説明が行われた。


■パネリスト
・伊藤滋氏 (早稲田大学特命教授)
・槇文彦氏 (建築家)
・村井純環境情報学部長
・徳田英幸政策・メディア研究科委員長
・金子郁容SFC研究所所長
・古谷知之総合政策学部准教授
 セッションでは、建築家である槇氏の最近の事業の紹介や、未来創造塾の予定地調整、義塾創立150年事業として承認されたことを説明し、建設の現実味をアピール。米国の完成された寮制度を紹介しながら、日本の寮の不備を指摘しつつ、未来創造塾が日本で想像される従来の寮とは別モノとなることを示唆した。また参加者の大半はSFC設立に関わったメンバーであったため、セッション中は設立当時の様子を振り返る場面もあった。
 今回語られた未来創造塾の方針は、単なる宿ではなくコミュニティ作りを体験し、学問だけではなく人間性を高める場としての寮を目指すというもの。米国の寮制度に習いつつ、寮制度の実験である「ハウス制度」の中で日本に合った形の寮制度を模索していく。
 また宿泊施設だけでなく、産学連携のための施設建設も予定されており、研究はもちろん、企業と連携した人材育成も行っていくと発表。新しいことに挑戦し、義塾の理念を先導していくというSFCの理念を強調した。
 現在の進行状況として、義塾創立150年事業として承認され、予定地の確保ができつつあることを説明。またソフト面からのアプローチとして今年度より「ハウス制度」が実施されており、未来創造塾の準備が順調であることが述べられた。
 ハード面についても来年初めには予定地の整地を開始し、1年後の建設を開始する予定であり、また藤沢市の計画としてSFC前に新交通システム(LRT:Light Rail Transit)の駅ができる計画は健在で、次の20年までには実現することは間違いないとの発言がなされた。
 未来創造塾の設置でSFCのスタイルは大きく変化することが予想される。他大学に追いつかれ、SFCの特徴が薄れてきているという指摘がある中だけに、今後の動向が期待される。