6月28日(月)4時限、「ネットワーク産業論」(夏野剛政策・メディア研究科特別招聘教授担当)にて、楽天株式会社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が講演を行った。日本企業や社会の問題と、世界の変化、そして楽天の世界展開について解説を行った後、生徒からの質疑応答を行った。


 日本のIT企業の草分け的存在の楽天、その創業者である三木谷氏の話が聞けるということで、授業が行われたΩ22教室は立ち見が出るほどの混雑だった。講演で三木谷氏は、日本では日本基準というものが出来ており、グローバルスタンダードとは違うガラパゴス化が発生していること、日本は諸外国に比べてインターネットの知識をつけて活用することが非常に遅れていることなど、現在の日本の問題点を指摘した。また、インターネットの影響力が増大し、思わぬ国や発展途上国などでインターネットの発展が見受けられるなどの、世界のインターネット動向について話した。
 後半、三木谷氏は楽天を世界企業として発展させていくための戦略のひとつとして、社内公用語を英語に変更していくと語った。サービスを国際化していくためには、会社がインターナショナル化する必要があり、海外でビジネスをする企業は最終的に英語化していくのではないかという持論を展開。さらに、世界中から優秀な人材を確保するためにも英語化は必要であるとした。その他にも、楽天の創業から現在までの沿革や、今後の楽天の企業戦略についても話した。
 講演後は生徒からの質疑応答が行われ、三木谷氏の学生時代の過ごし方など様々な質問が飛び交った。また、授業後には事前に課題を出して選抜された生徒らと、三木谷氏による対談も行われた。
【三木谷浩史氏・略歴】
1965年兵庫県出身。一橋大学商学部卒業後、1988年日本興業銀行に入行。その後、ハーバード大学経営大学院に留学、MBAを取得。興銀退社後、1997年にエム・ディー・エムを設立。後に楽天へ社名変更。2002年より会長を兼務。