スマートフォン・スマート端末アイディアを募集するケータイ未来コンテストが開催される。全塾生が応募可能で、幼稚舎にも応募資格がある。第1回目の同コンテストについて徳田政策・メディア研究科委員長、中澤環境情報学部専任講師にお話を聞いた。

中澤先生・徳田先生

同コンテストは未来創造部門と先端作品部門の2つに分かれている。未来創造部門ではスマートフォン・スマート端末、サービスのアイデアを記述したA1ポスター、先端作品部門ではiPhon、Android、またはWindows MobileアプリケーションソフトウエアとA1のアピールポスターを募集。1次審査を通過した作品はORF会場で展示され、2次審査後、各部門で最優秀賞1名、優秀賞2名が表彰される。優秀者は賞金と副賞としてiPadやMacBook Proが贈呈される予定。

未来創造部門

中澤:未来創造部門では現実に振り回せれないで自由にやって欲しい。現実の制約をいれちゃうと自由度が下がるので。唯一の制約はA1のポスターだけ。こんな突拍子のないアイディアが出てきてしまったっていうのを期待している。もしかしたら幼稚舎とか、SFC中高とかから枠にはまらないアイデアが出てくるかも。
徳田:これからは未来の情報社会をデザインしたい、実装したい、評価したい、そういう学生に出てきて欲しい。情報社会がもっと面白くなったり、人と人の繋がりがもっとリッチになったり、そういうアイデアを出してきて欲しい。
中澤:スマートフォンは割と新しい機械。これを使ってこんな情報処理、情報発信、情報収集が出来るのか。学部や大学院の授業だとしばりがあるが、これならしばりがないから爆発的な発想が出てくることを期待します。
中澤:いろんな情報は定位置がある。著作物の定位置は紙の本だった。医療情報はカルテが定位置だった。それがだんだん変わってきて、ある種情報社会が作られてきている。他にも決められて定位置にあって、そこにあって当然とある情報がたくさんある。それを考えていくと、うまくいくかもしれない。
徳田:イマジネーションとクリエーション。どちらも日本読みでは「そうぞう」だが、漢字では想像と創造。みんなが少し考えて、これが解決するといいなとイマジネーションすると、いい。イマジネーションが膨らむと、クリエーションに繋がる。イマジネーションがないとクリエーションには出来ない。未来をクリエーションするには、イマジネーションが必要。

先端作品部門

徳田:アプリの方は実際動かさないといけないから、色々勉強しなきゃいけない。中学生とかでもプログラミングがかける学生はいるだろう。それが幼稚なものでも、十分だと思う。積極的に出して欲しい。
中澤:SFC生は情報やツールを自分で作ったり、情報を加工する力を身につけて欲しい。今の世の中すごいものを作れば、世界中の人が明日から使うかもしれない。その喜びを知って欲しい。
徳田:iPhoneやiPadを配っている大学がある。でもそれはあくまで受身的、道具として使うだけに見える。情報リテラシーの度合いで、SFC生であればプログラミングできるという知的体力があって欲しい。車は運転するけど、そのメカニズムには興味はないという人と、そのメカニズムを知っている人はちがう。でも車が排気ガスを出すとか、どうスリップするのかは運転をよくしている人はわかる。その道具を使い倒し、その道具を深く分かっていると、メディアの光と影がわかる。ましてやPCやスマートフォンに振り回されたら困るね。
中澤:SFCにはプログラミングの授業がある。でもそれだと単位をとれば終わりということもあるけど、そうではなくて、こういう場所でぜひ発揮して欲しい。授業だけでは不安という方は、スマートフォンアプリケーション開発講座を9月28日(火)-30日(木)に開催するので、ぜひ参加してみてください。

未来はみんなが作るもの

中澤:僕ぐらいの年代が境目で、僕より上の人は生まれた時にインターネットがないので、足りないものは作るものという意識がある。僕より下は生まれたときにはインターネットが普及していて、足りないものは検索するものと考えている節がある。でも検索してもないものもあるし、意図と合致しないこともある。検索オンリーだと、自分以外の人がこの先の情報社会、未来を作っているのと同じ。もっと自分でこういう情報社会にしようと思って、それを作れる人が出てきて欲しい。
徳田:未来はみんなが作っていくもの。誰かが作ったものを選んで使うのではない。その未来を創れるという自信、過信もしくは誤解かもしれないけど、未来はきみたちが作るっていうのが大事。
中澤:検索してきて人より早く見つけられるスキルも大事だけど、まだまだ世の中で解決されてない問題がたくさんある。そういうものに対して、ITの技術や新しいメディアをどう使うかは研究室とかでやればいい。
徳田:みんな未来を作り出すことに貢献して欲しい。その実感が遠のいている。このコンテストで未来を作り出す喜びを体感して欲しい。