11日(木)午前、大手メディアの報道によると、大阪地検特捜部は森川富昭環境情報学部准教授(以下、森川准教授)を、収賄の疑いで逮捕した。

前職 徳島大病院部長時代に54万円の収賄疑惑

森川准教授は、前職の徳島大病院情報センター部長を務めていた2012年1月17日ごろ、徳島大病院の医療情報システム関連の契約において、契約先会社のダンテック社に対して便宜を図る見返りとして、54万円を受け取った疑いがかけられている。
 森川准教授は、2012年に慶應義塾大学環境情報学部准教授に着任してからは、組織設計やデータサイエンスの講義を担当していた。
 今学期は、以下の授業を開講。

  • オープンデータと組織経営
  • プロジェクトCIプロジェクト
  • データビジネス創造(ヘルスケア、民間企業等)
  • 情報と社会のデータサイエンス
  • 医療・健康のデータサイエンス
  • 自律・分散・協調

多くの学生が講義を履修をしていたとみられ、逮捕による学生への影響は大きい。
 

突然の報道 履修者に衝撃走る

森川准教授の研究会を履修している学生によると、森川准教授の逮捕報道がなされるまで、学生に対して事情を説明するなどの対応はなかったという。約2週間前から、体調不良を理由に授業・研究会を休んでおり、森川准教授を心配する声も多かった。研究会の学生は、「報道を聞いて驚きと不安でいっぱい。研究会がどうなるのかわからない」と編集部の取材で心境を語った。

授業履修者に影響 4年生は卒プロメンター変更の必要も

12日(金)現在、SFC CLIP編集部が義塾広報室へ行った取材によると、大学側も森川准教授が収賄の疑いで逮捕された事実を認めている。森川准教授が担当している講義の今後の取り扱いに関しては、他の教員が講義を受け持つことによって対応するという。また、森川准教授を卒プロメンターとして登録している学生については、他の教員が卒プロメンターを受け持つことを検討しているとのことだ。
 いずれも大学側は現段階での予定としており、単位や卒業が関係してくる学生は、引き続き大学からの情報を確認することが重要だ。
 なお、関係筋によると、森川准教授に対しては今のところ休職処置が取られ、今後の処分に関しては警察の調査の結果にしたがい対応を行うとのことだ。