14日(木)に発生した熊本地震を受け、SFCでも被災地支援の動きが進んでいる。情報発信のためのFacebookグループを作る学生や実際に現地調査に行く教員もおり、学生・教員・職員ともに被災地支援に向けて動きを見せている。

早くから動きを見せたSNS上での活動

SFCは東日本大震災においても、その専門領域や扱う言語の幅広さを活かして様々な支援を行ってきた。また高校時代に被災地支援活動の経験があるSFC生も多く、熊本地震においても早い段階で被災地支援が始まった。

今回特に目立ったのはSNS上での活動だ。SFC生2人が震災発生からまもなく「Youth Action for Kumamoto」というFacebookグループを開設し、Twitter上でもアカウントを開設。Facebookグループでは様々な人を巻き込み、被災地域内外にたいして役立つ情報を集め、発信している。

SFC生の熊本地震への関心が高まるにつれ、教員も学生に対して情報を発信をするようになった。SFCnow!(Facebook上のSFC生情報交換コミュニティ)において、村井純環境情報学部長はSFC生が被災地付近を訪れる際の情報共有を呼びかけ、大木聖子環境情報学部准教授は自身が専門とする地震学の立場から今回の地震の特異性を指摘。16日(土)には現地に早急に行くのは避けるように注意を促した。

義塾も対応 募金の呼びかけなどを行う

今回の地震について義塾も公式ウェブサイトで情報を発信している。18日(月)、塾長の名前で被災者へのお見舞いを発表し、「慶應義塾も全力で支援につとめたいと考えております」と積極的な支援も行うことを明らかにした。SFCからも地震の被害者へのお見舞いが発表され、被災地域に滞在しているSFCの学生について、安否と状況の報告を求めた。19日(火)には義塾として熊本地震義援金の募集を開始。寄付金は日本赤十字社に「熊本地震義援金」として寄付される。

また、22日(金)、保健管理センターは震災関連の保健情報を発表。大きな災害を経験した後の心のケアと健康管理や、被災地へ行く際の健康管理においてやるべきことをまとめている。26日(火)にはSFC研究所の防災情報社会デザインコンソーシアムにより慶應三田キャンパス北館3F大会議室において『緊急セミナー:熊本地震対応今なにをなすべきか』と題したセミナーが開かれる予定だ。

SFCから熊本へ 遠隔地から何ができるか集まって議論

ネット上だけではなく顔を合わせでの議論も行われた。20日(木)夜、植原啓介環境情報学部准教授によるSFCnow!での呼びかけに応じ、今回の震災への支援に興味を持っている学生・教員・職員など約10名がSBCセンターに集まり、今回の震災についての情報交換や支援に関する意見交換を行った。熊本出身の人に限らず、九州の他県出身の人、東日本大震災で被災した人など、参加者のバックグラウンドは様々だった。

「空き巣が発生していて長時間家を離れるのが不安らしい」「物資が届いても、車やガソリンなど足になるものがなくて取りに行けない人達がいる」などの被災地からの生の情報が交換されていくなかで、"SFCから何ができるか"を軸に話し合いが進められた。

SFCと被災地が離れているがゆえに、支援には様々な壁が立ちはだかる。それはもちろん、物理的な距離に限らない。

「東日本大震災の時に九州は何も被害を受けていなかったから、大変なことが起こったのは分かっているつもりだったが、やはり他人事のように思っていたのかもしれない」と参加者。九州で災害が起こった今、SFCで毎日を過ごしていて、同じことを感じているそうだ。

遠隔地での災害は、物理的な距離だけでなく、心理的な距離をも生み出してしまう。しかし決して"他人事"と言い切ることはできないこの事態に、遠隔地からできることは何なのか。被災地のニーズと自分たちが実際にできることを考えながら、約2時間に渡って話し合いが続いた。

結果として、「被災地にいる外国人の方のために多言語で情報発信をする」ことと、「各種情報の時系列を整理する活動を行う」という2つの支援案がまとめられた。これらの案には、今回の参加者が協力して取り組んでいく予定だ。この一連の取り組みについての情報交換用Facebookページ(要ログイン)も作成されたので、興味がある人はぜひ参加してみてほしい。

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