ソーシャルプロデューサーの育成をテーマに活動する鈴木寛研究会、通称「すずかんゼミ」。ORFでは、毎年様々なプロジェクトに取り組む「人」に焦点を当てた展示をしている。

すずかんゼミの特徴として「プロジェクトベースドラーニング(PBL)」が挙げられる。学生は自分のプロジェクトを進めていく中で、成功や失敗を繰り返しながら学習を進めていく。今回は3人のメンバーを紹介する。

ブースでは9人のゼミ生が紹介されている

ブースでは9人のゼミ生が紹介されている

アクティブラーニングを全国に! 「FROM PROJECT」に込められた増渕翔さん(総3)の思い

「FROM PROJECT」代表の増渕さん

「FROM PROJECT」代表の増渕さん

近年注目を集めているアクティブラーニング。増渕さんが代表を務める「FROM PROJECT」では、そのアクティブラーニングの中でもすずかんゼミの学習方法の特徴であるPBLを広めるべく、全国の高校に出向いて出張ゼミを行い、アクティブラーニングの授業をしている。

増渕さんはこのプロジェクトを通して、「教室」をもっと開けた場所にすることを考えている。現代の高校生は学校の外で学ぶ機会が限られていて、視野が狭くなりがちだ。そのため、より多くの人が教育の場に携わることができる環境の構築が必要だと考えた。

しかし教育は人の人生に触れるものであり、決して簡単にできるものではない。このプロジェクトを通して増渕さんは他人の人生に触れる責任の重さを実感したという。「高校生に寄り添って一緒に物事を考えながら本人の可能性を模索して、そのチャレンジの一歩目を支援していきたい」と語る。今後の展開に期待が高まる。

鹿児島・長島町から始まる教育の改革 「地域おこし協力隊」に参加する間瀬海太さん(総3)

長島町について熱く話す間瀬さん

長島町について熱く話す間瀬さん

間瀬さんは、鹿児島県長島町で総務省の地域活性化推進制度「地域おこし協力隊」に参加しており、そこから日本の教育を変えたいという。人口1万人弱の長島町では、2007年に最後の1校として残っていた高校が閉校し、ついに町内に高校がひとつもなくなった。そのため子どもを高校に進学させるために一家で町外に移り住む世帯が増え、過疎化の原因になっている。これを解決するため間瀬さんは、通信制高校「N高等学校」と自治体がコラボレーションした「Nセンター」に地域おこし協力隊として参加。中高生の自習を手助けしつつ、地方・教育・ITを組み合わせた新しい教育の提案に取り組んでいる。

そんな間瀬さんの伝えたいことは「危機感」だ。2020年には大学入試センター試験の廃止やAO入試の拡大などが行われる。そのときに求められるのは現在行われているような詰め込み型教育ではなく、アクティブラーニングを通した少人数型の教育であると考えている。間瀬さんは長島町での地域おこし協力隊への参加を通し、長島町からアクティブラーニングを活性化し、全国に広めていくことを目指して活動を続けている。

「中高生が自由にアクションを起こせる場を作りたい」 ウェブメディア「青春基地」代表・石黒和己さん(総4)

中高生に学びの場を提供したいと石黒さん

中高生に学びの場を提供したいと石黒さん

「青春基地」の代表を務める石黒さん。青春基地は企画から取材、執筆、配信までの作業を中高生が行うウェブメディアだ。石黒さんは中高生とともにフリーペーパーを作っていた経験から、記事を作ることには多くの学びと教育的効果があると考えた。ウェブメディアを通して中高生が自由にアクションを起こせる場を作ることで、中高生に学びの場を提供できるのではないか、そう思い青春基地をはじめた。

自分のテーマを持ち、何かに対して「やってみたい!」と思うことや、それを実際の行動に落とし込んでいくことは重要だ。青春基地を通して、好奇心とそれを現実に結びつけるための行動力を中高生に伝えたいという。

今後はプロジェクトを「学校教育」へシフトをさせていきたいと話す石黒さん。現在の青春基地のような社会教育の枠組みではプロジェクトへの参加は中高生の”非日常的”な体験となってしまう。自分で何かを企画し、それを学びに結びつける体験を”日常的”に行う環境が整った学校教育を実現したいと力強く語った。

今年も多彩なプロジェクトが展示されているすずかんゼミ。そのプロジェクトの裏にある、学生たちの社会に対する問題意識やプロジェクトから得た学びなどを知ることができる。

【10月20日(日) 22:55 編集部追記】
本文に写真・文章を追加、修正しました。

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