こんにちは。SFCご近所コンシェルジュの鳥越寛子です。今週のSFCご近所おさんぽ物語では、SFCのみなさんであれば誰もが知っている、SFCの"あの臭いのもとであるみやじ豚"を育てている宮治勇輔さんをご紹介します。


生産から生活者に直接届けるまでを一貫プロデュースすることにより、一次産業のきつい・きたない・かっこ悪い・臭い・稼げない・結婚できないの6K産業イメージを払拭しようと、立ち上がった一人の男の物語です。
◆ある"違和感"から始まった株式会社みやじ豚
今回の物語の主人公、宮治勇輔さんはSFCの卒業生。学生時代は、将来ばりばり働いて、ベンチャー企業を立ち上げることを夢見てた宮治さん。養豚を継ごうとは、これっぽっちも思っていなかったそうだ。そんな宮治さんだが、あることをきっかけに農業の素晴らしさに気付く。そのきっかけとは、大学時代に友人を家に呼んで行ったBBQであった。友人が皆口をそろえて「こんなに美味しい豚肉は食べたことがない!」と言った言葉を受け、何気なく普段食べていた自分の家の豚が「うちの豚、そんなに美味しいんだ」と気付くと共に、今までずっと養豚の仕事をしてきた父親に対して「良い仕事してるなー」と敬意を感じる。
しかし、そのBBQの際に、友人から「この豚肉はどこで買えるの?」と質問されたこに答えられず、ショックを覚えた宮治さん。自分のところで育てた豚が、どこで売られていて、誰が食べているかわからないことに違和感を覚えたわけだが、この違和感が株式会社みやじ豚の幕開けとなる。

◆良きパートナーあらわる
違和感を感じた宮治さんは、農業の本を読みあさる。就職した後も、朝1時間早く起床し、勉強してから出社する毎日。実践型ビジネススクールにも通い、様々なスキルを学び、自ら人脈を拡げていく。就職して4年経った後、ようやく養豚を継ぐ決意をし、腹を固めた宮治さんは、湘南ゆかりの地へと戻っていく。そんなとき、偶然の必然と思われるような出来事が起こる。なんと弟(大輔さん)も仕事を辞めて実家に戻ってきていたのである。絶妙のタイミングで巡り会った兄弟は、あうんの呼吸で養豚をスタート。もくもくと仕事をするのが向いていた弟が養豚の世話を担当し、もともと人とのコミュニケーションが好きだった兄が、営業から経理までなんでも担当し、みやじ豚のプロデュースを行うことになった。

◆かっこよくて・感動があって・稼げる新第一次産業!
「一次産業は、きつい・きたない・かっこ悪い・臭い・稼げない・結婚できないの6K産業のイメージがある。生産からお客さんの口に届けるまでを農家が一貫してプロデュースする産業にしたい。そうすることによって、一次産業を、かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にしたい。」と新たな1次産業のビジョンを熱く語る宮治さん。このような想いから、宮治さんは、月に2回ほど、BBQなどのみやじ豚イベントを催し、消費者と直接関わりが持てる場づくりを丁寧に行っている。そのイベントに訪れるお客さん達は、みやじ豚に感動し、有名なレストランに紹介してくれる時もあるそうだ。お客さんがお客さんを呼んで来る、この自然に出来上がった仕組みを、宮治さんは"バーベキューマーケティング"と呼んでいるだとか(笑)

◆丹念に育てられた幻のみやじ豚
噛み締めた瞬間に広がる「ジューシーな肉汁」と「いやみのない脂」、そしてやってくる「確かな旨味」。おいしさの理由はその育て方にあった。「優秀な血統」「特別なえさ」「ストレスを与えないように兄弟の豚だけを同じ部屋で飼い、なるべく引っ越しの回数を少なくする」「豚に語りかける」…など小規模だからこそ出来る手間の掛け方で大事に育てられている。さらに、イベントなどで、宮治さんがみやじ豚ができるまでのストーリーを、直接お客さんに話すことで、3割増しのおいしさになるのだ。
詳しくは、http://www.miyajibuta.com/tasty/こちらをご覧ください。

◆今後も夢に向かって走り続ける宮治さん
宮治さんは、今後第一次産業だけでなく、農業の基盤である湘南の地域活性化も目指す。「東京に湘南のアンテナショップを出店して、都内と湘南を楽しく行き来できるような仕組みを作りたい。」と夢を語る宮治さん。こんな夢も遠くないかもしれない。宮治さんの今度の活動が楽しみですね。この記事を読んで、みやじ豚が食べたくなったみなさん、今後もイベントありますよ。
詳しくは、http://www.miyajibuta.com/bbq/こちらをご覧下さい。
SFCご近所コンシェルジュ番長:鳥越寛子(総3)

SFCご近所おさんぽレシピ 第14回
-さつまいもチーズケーキ-

こんにちは、おそろい連載のご近所おさんぽレシピです。
ご近所おさんぽレシピでは、「あなたの腕でなく、おいしい素材で、料理はおいしくなる」の信念のもと、自然ゆたかなSFC周辺で買う食材でつくる、お料理レシピを紹介しています。
◆さつまいもチーズケーキ
実は、みやじ豚の宮治勇輔さんは、わたし坂崎と鳥越が所属している井上英之ゼミ(ソーシャルイノベーション)http://social.sfc.keio.ac.jpの授業を、毎週のように聴講し、そのうえ、ただ聴講するだけでなく事前課題もきっちりやってきてくださる、すばらしく希有な社会人でした!違う視点を持つ者同士で耳を傾け合い、ともに学ぶことは、どんなに貴重な体験だったことでしょう。いまは、ご多忙のため毎週のようにというわけにはいかないけれど、いつも、ご近所から井上ゼミ生を含む後輩たちの様子を、あたたかく見守ってくださってます。
今日は、そんな宮治さんにもぜひ召し上がってもらえたらよかったのに、というチーズケーキを紹介します。
このケーキは、2月2日(土)に催された、井上英之ゼミ07秋学期・最終発表会のおやつでした。ふだんのチーズケーキの、クリームチーズの半量をさつまいもにすると、スイートポテトとチーズケーキのあいのこのような、おいしいケーキになるんです。
08春学期の最終発表会も、楽しみにしていてくださいね。
-材料-(パウンド型1つぶん)
さつまいも 120g
卵 3個
砂糖 1/3カップ
クリームチーズ 120g
生クリーム 1カップ
薄力粉 大さじ3
-つくりかた-
(1)さつまいもは好きな大きさに切って水に10分ほどさらし、柔らかくなるまでゆでる。
(2)ボウルに卵と砂糖を入れて、少しふんわりするまで泡立てる。
(3)ボウルに生クリーム、クリームチーズ、つぶした(1)のさつまいも、薄力粉を加え、さらに混ぜる。
(4)型に流し込み、180度のオーブンで45分焼くと、できあがり!

とりちゃんもゼミのみんなも、このケーキを気に入ってくれました。
SFCご近所コンシェルジュ台所番長:坂崎あゆみ(環3)