27日(水)に行われたITビジネス特論の特別講演にて両氏が日本経済について講演した。リチャード・クー氏は現在の日本における経済不況はバランスシート不況であるという。


 90年をピークに資産価格が大暴落したにもかかわらず借金だけが残り、日本中で危機的状況を乗り切るために借金減らしに奔走した。その際に消費や投資を抑制して余った金で借金を減らすことが至上命題になってしまった。借金を減らす行動は決して悪いことではないが、皆が同時に行ったことでいわゆる「合成の誤謬」が起きた。その結果、消費も投資も落ち込み、ますます不況の度合いが高まったという。バランスシートをみると現在の日本における経済不況は1930年代の世界大恐慌前に類似しているという。
 一方、村山昇作氏はリチャード・クー氏の意見に補足を加えるかたちでアメリカと日本を比較し、日本における設備投資比率と貯蓄性向のバランスが悪くなると経済状況はさらに悪化するだろうと述べた。