パソコンの父と言われるアラン・ケイ氏が24日(水)、θ館で「コンピューター革命はまだ起きていない」というタイトルで講演会を行った。


 講演では、アラン・ケイ氏は活版印刷の例を用いて「活版印刷の誕生から100年近くたってから本がやっと本格的に利用されるようになったのであれば、コンピューターを誰でも自由に使えるようになるのはまだまだ先の話」と主張。加えて、パーソナルコンピューターの現状を「素晴らしいハードウェアに、素晴らしく使えないOSを乗せている」と皮肉った。
 プレゼン資料はsqueakと呼ばれるバーチャル・マシーン(OS上で作動するOSのようなもの)を利用して分かりやすく、普通では不可能なインタラクティブなプレゼンを実現していた。また、それを利用して簡単なインタラクティブプログラムを講演中に作成し、プログラムとは何なのか、教育ツールとは何なのか、発想とは何なのかについて、氏の哲学を交えて述べた。
 【アラン・ケイ氏】
  パーソナルコンピュータの父。米Xerox社パロアルト研究所にて「ダイナブック」構想を具現化するAltoを開発。これがアップル社のマッキントッシュを製品化するきっかけとなる。アップル社のフェロー、ディズニー社のフェローを経て、現在Squeaklandで活動中。