学生ベンチャーフォーラムは、「大学生を中心とする若年層の起業に関する意識啓発を行い、新産業創出の芽をはぐくむ」という目的のもと、1997に発足しました。(財)神奈川中小企業センターおよび神奈川県下の大学、教育機関が中心となって企画・運営をしていますが、本年度は慶應義塾大学が幹事校になっています。今回はこのベンチャーフォーラムの運営役員を務める、斎藤信男教授(慶應義塾大学常任理事)にお話をうかがいました。

斎藤信男常任理事
学生ベンチャーフォーラムは、どのような学生を対象にしているのですか?
 起業すること、ベンチャー企業に興味がある学生を対象にしています。もちろん啓発も目的にしているわけで、興味のある方はどんどん参加してほしいですね。基調講演、パネルディスカッションのあとに行われる交流会では起業経験など貴重な話がたくさん聞けるはずです。
学生ベンチャーフォーラムの中でSFCの存在感はどのようなものですか?
 SFCは非常に期待されていますね。やはり学生の起業意識は他の大学に比べると非常に高いですよ。今回のベンチャーフォーラムのパネルディスカッションにも来てくれますが、峰尾さんという方がいまして、彼は人を説得する力があるんですね。SFCでMobidyというプロジェクトをやっていましたね。今は IMDという会社の代表取締役社長に就任しています。起業する際にはやはり当然ですが資金が要りますよね。その資金を調達する際には説得力が重要なわけです。SFCの学生はその点で非常にヴァイタリティーを持ち合わせていますね。そのようなヴァイタリティーがSFCの学生が期待される要因になっていると思います。
学生が起業することの意義とは?
 学生はゼロからはじめるわけだから未知数なんです。本物がでるかもしれないという期待感がありますね。学生の方としてもリスク覚悟でやるわけだから本気になって起業するわけです。そのプロセスで得られるものはたくさんあるわけで、そこに学生時代に起業する意義があると思います。例えばヒューレットパッカードという会社はスタンフォード大学を卒業した学生が起こしました。ビルゲイツも学生時代に起業したという点では同じです。アメリカでもそうですが、やはり学生が起業する方が成功するようです。
学生ベンチャーを支援するために大学が果たすべき役割とは?
 大学のないところに都市は発達しませんし、産業も生まれてこない。シリコンバレーの発展はスタンフォード大学と不可分なわけです。このように都市の発展にも産業がどのように関わっていけるかが重要なんですね。大学は新産業創出のためのインキュベーションシステムとして機能しなければならないと思っています。SFCはSFCベンチャーフォーラムというインキュベーション機能を果たすプロジェクトがあります。ぜひSFCの学生はこういうシステムを利用して積極的に挑戦していってもらいたいですね。
ありがとうございました。