10月5日、インターネット界に伝説を残すべく、1つの掲示板サイトがスタートした。その名は「1ch.tv(いっちゃんねる.てぃーびー)」。


 2ちゃんねるでユーザーに散々煽られた西和彦氏(アスキー創業者、現特別顧問)が、「便所の落書き」である2ちゃんねるに対抗する「善意」の掲示板として立ち上げた。 「アスキー立ち上げの時の10倍興奮している」と西氏の鼻息は荒い。それを示すように、文字通り「ただの」掲示板ではなく、投稿者(ジャーナリスト)に対してユーザーが5円程度の料金を支払うなど、「金がまわる」掲示板を目標とした。
 10月5日の夜、この歴史的瞬間に立ち会おうと、私を含め多くの「2ちゃんねらー(2ちゃんねるユーザー)」がサイトオープンを今か今かと待ち構えていた。トップページに表示されるCountdownの文字、10から減っていく数字。 期待は否が応でも高まる。
 そして、午前1時半、その時が来た。1ch.tv、オープン。
 最初にアクセスしたときの率直な感想は「なんだこの素人が作ったようなデザインは?」。そして、掲示板一覧には、燦然と輝く「西和彦」の文字。
 「ご挨拶」のページには、なんと「台座にのった西和彦の銅像」が。そして、デザインがデザインなら、システムもシステムだ。開始2時間後には、早速管理用のCGIが発見され、しかも、パスワードが一切かかっていなかったので、誰でも掲示板を更新/削除できるようになってしまうというお粗末さ。
 こうして、2ちゃんねらーによる「1ch祭り(攻撃?)」は夜まで続き、耐えかねた1chは、ついに書き込みができない世界初の「閲覧専用メガBBS」になってしまった。
 現在、1chのトップページには、『現在この掲示板は10月5日の状態で、閲覧専用モードにあえて設定してあります。 これは、匿名性を悪用し、表現の自由と言葉の暴力とを履き違えた、書き込み内容を開示する為です。』  という文章が掲示されている。
 しかし、「2ちゃんねる対抗」を表明した以上、このような書き込みが増えることは容易に想像がついたこと。今回の「閲覧専用」措置は、穴だらけだったプログラムを直すための時間稼ぎと思われても仕方ないだろう。
 果たして、1chの復活はあるのだろうか?