南カリフォルニア大学より 最終回 -齋藤達也さん(2002年環卒)
みなさんお元気でしょうか?
母親が心配して電話してきたので知ったのですが、ロスのフリーウェイで200台くらい巻き込む玉突き事故が起きたらしいですね。家にテレビもラジオもない生活を送っているので、結構、時事問題には疎かったりします。
最近はよく大学の傍のスターバックスで時間を過ごす事が多いですね。日本のスタバは赤字転落らしいですが、こっちのスターバックスは無線LANが使えたりするので非常に重宝してます。そういえば、こないだは前のテーブルに座っていた人となんとなくおしゃべりをしていたら、面白いことを聞きました。その人は日本でも英会話教室の先生をしたりしていた人で、今はUSCの American Language Institute で修士論文を書いているらしいんだけれども、第二言語として英語を勉強する人が楽しみながら英語を勉強することの重要性を言っていました。たとえば、 Harry Potter を挙げていたんだけれども、一つは読んで面白い文献で勉強すること、そして、もう一つは文章中で著者が自分で言葉を作ったりすることがそれを読んで勉強をする上で重要なのだとか。
たとえば、She is like he doesn’t know about that. と言った場合、文法的には間違っているのですが、こちらの人が聞けば、 She is like … というのは、 She said … というように自然に読み替えられると思うんですが、僕が聞いていても結構こういうインフォーマルな言い回しというのは実際の会話の中によく出てくると思います。英語を勉強する際にはこういうインフォーマルないい回しになれることが重要なのだとか。というわけで、Monty Python の DVD Box を買ってしまいました。あらら。まあ、英語の勉強になるかどうかわかりませんが。やっぱり、英語でのコミュニケーションの問題はまだ解消しないですね。授業中も積極的に発言しないと成績評価に大きくかかわるらしいんですが、議論ともなると結構ついていくのが難しく、そういう中で発言するのは非常に困難です。まあ慣れるしかないというところでしょう。
映画関係の話題といえば、学校の隣にある Shrine Auditorium で 007 の新しい映画 "Die Another Day" のプレミアをやっていました。Shrine Auditorium は Kodak Theater に移る前はアカデミー賞の授与式が行われていたところでアカデミー賞以外にもエミー賞の授与式が行われたりするところなのです。こういうところは映画産業とUSCのつながりを感じるところでもありますね。映画といえば、今週末は自腹を切ってサンタモニカのホテルを使って撮影です。今学期最後の撮影課題なので、きちんとやろうと思って、小道具もいろいろ自分で用意してますが、結構お金がかかりますね。USCでは卒業制作のためにカードで数千ドルの出費を賄って製作することも普通なのだとか。一応、プロの俳優を使うことみたいな決まりがあるのだけれども、大変そうなので、School of Theater の友人を使って撮影しています。俳優を探す場合には Hollywood の俳優派遣会社一覧や俳優一覧、製作会社ブルーブックのようなものが学校の本屋でも売られていて、そういったものを利用して人材を集めたりするようです。あるいは学校の掲示板に必要な人材募集情報を張っておくことも有用です。やはり実際に映像を撮るとなれば人材募集から自分たちでやる必要があり、そういったことを実践を通して経験的に身に着けるということを目指しているのがUSCの映画学科なのでしょう。
授業でもDVカメラではなく、実際のフィルムを使って撮影をするという実習があり、フィルムの装填から、実際の撮影、そしてフィルムの編集までを習う。より上級の授業では実際にフィルムを使って作品を制作する授業もあるのです。来年のサマースクールではCommercial Production: The art of the sixty-second story という60秒という比較的短いコマーシャルフィルムの撮影を実習を通して勉強する授業が用意されている。この授業はジョージ=ルーカスやロバート=ゼメキスがUSCの学生時代に履修した授業のリバイバルらしいです。
さて、もう今回で最終回となってしまいました、この留学日記。いかがでしたでしょうか?そろそろネタ切れです。まあ留学といっても最初はいろいろあれど、落ち着いてしまえば変化のない日常です。知的な刺激は毎日ありますけどね。このシリーズが映画に興味がある人や留学を考えている人の参考になれば幸いです。では、また会う日まで。 - Los Angeles にて